雪の降る日に捨てられた悪魔 (ページ4)

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サリ「Aちゃん、紹介するね。
こちらはイルマくん。今日から吾輩の孫になるんだ｣

サリバンさまはそう仰った。

A「ま、まごぉ？」

子供も居ないのに？

頭を捻る。

サリ「そうそう、イルマくんにはAちゃんとバビルスに通ってもらう予定だからよろしくね。
イルマくん人間だし｣

頷ける頷ける。

元々私は今年からバビルスに通う予定だった。

お目付け役にはピッタリだろう。

そこは頷ける。

だがしかし。

A「人間!?」

人間？空想上の美味しい生き物。

そんなふわりとした人間が彼だと言うのだ。

そして、孫であるからには私は彼に仕えなければ行けない。

美味しい匂いのする人間に。

A「いや、食べられちゃいますよ。絶対」

現に私もヨダレが出そうだ。

サリ「大丈夫、香水を使えば匂いは消せるからね」

じゃ、よろしく。とサリバンさまは軽く私の動揺をいなした。

ーーーー
A「まって！学校でイルマさまになんか起きたらお目付け役の私のせいってこと!?｣

就業し、一日の出来事を振り返る安寧の時間。

私は兄さんの部屋の扉を開けて叫ぶように問う。

オペラ「うるさい」

ジト目とチョップをくらい、出された紅茶の香りが半減する。

オペラ「大丈夫ですよ、理不尽なことをする方じゃないってことはAもよく知っているでしょう？｣

A「それは知ってるけど…というか、なんでいきなり孫!?」

私は本質が分からずに首を傾げる。

オペラ「"孫"が欲しかったらしいです、ご友人の自慢に耐えきれなかったとか｣

A「…だからって人間…。私食べちゃうかも｣

オペラ「その時は私が殴る(パンチ)で止めます｣

その時私は飲み込んだ紅茶と共に心に決めた。

"絶対にイルマさまは食べないでおこう"

と。