雪の降る日に捨てられた悪魔 (ページ25)

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A「イルマさまが、1人で？」

エリザベッタと隅でもじもじしていたケロリを連れてのランチタイムに顰めた顔のアズとクララが泣きついてきた。

イルマさまがこっそりと1人でどこかへ行ってしまう、と。

アズ「そうだ。貴様はイルマさまのSDなのだろう、何か知っているのではないか？」

いつも以上に高圧的なアズ。

A「………………………あのねぇ、イルマさまにもプライベートはあるのよ。私がなんでも知ってたら可哀想でしょ」

ランチのステーキを口に含み咀嚼に時間をかけてから答える。

アズ「そ、それは確かにそうだが…我々は“お友達“なのだぞ‼︎」

A「お友達だからって相手のことを全部把握しておく必要はないと思うけどな。あ、あとさ＿＿」

アズ「なんだ」

A「私イルマさまのSDじゃなくて、SD見習いだから。今は兄さんのもとで修行中」

その言葉を聞いてアズは口を大きく開ける。

アズ「なっ…貴様、だましていたのか⁉︎」

A「騙してないわよ、ちゃんと心の中では“見習い“ってつけていたもの」

アズ「それを屁理屈と言うのだ、このちゃらんぽらん‼︎」

アズが激怒して投げてくる火の玉を全て避けながら口にものを詰め込む。

エリザ「あらぁ、ソースがついてるわよ」

途中エリザベッタが口を拭いてくれた。

非常に良い匂いがする。

アズ「もう良い」

怒って離れていくアズの背中に手を振って言葉を送る。

A「何かわかったら教えてー、よろ」

アズ「貴様には絶対に教えん‼︎」

後日、私の元にきたイルマさまのことで悩みに悩んだ末、心なしか情けない表情をしたアズから聞いた情報を簡潔にまとめると、生徒会長であるアザゼリ・アメリとよろしくやっていたとのことである。

あまりにも悲痛そうな表情をしていたアズ。

君は少しイルマさま離れを練習しようね。