雪の降る日に捨てられた悪魔 (ページ18)

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A「ここが問題児(アブノーマル)クラスの教室？」

まだ、中に足を踏み入れてもいないのに不快感を覚える。

ここはゴミ捨て場では無いはずだ。

だと言うのにクラスに続く階段の一角にゴミが山のように積まれている。

ふざけんなよ、と思いつつ私たちはどうすることもできずに教室の扉を開ける。

せめて、教室は綺麗であればいいが。

そう願いながらだ。

扉を開けてイルマさまが一歩前へ出た瞬間。

何か不信感が私を襲う。

しかし、その不信感の正体に気づけづにイルマさまは“数多の武器に襲われた“。

しかし、圧倒的危機回避能力が発動したのか全部かわしたようだ。

怪我がなかったという安心感。

それと同時にひしひしと感じる無力感。

A「ッ…なんて失敗を…SD(見習い)としてあるまじき失態」

主人を危険に晒すなど、まるで馬鹿のすることだ。

違和感はあったのに、注意力が足りなかった。

一人教室の端で反省会を行う。

そのせいか突然

カル「粛に‼︎」

と登場した先生にガチビビリをしてしまう。

驚きと同時に思うのは

”鬼教師が担任かよ“

という、小さな絶望である。

そして、意外と普通に出席の確認が行われる。

カル「＿＿＿A」

A「はい」

カル「それでは授業を始める」

そして落ち着くまもなく始まる最初の授業。

題目はなんだ？と耳を澄ませる。

カル「全員外へ出ろ、この問題児アホども。これから貴様らのランクを決定する」

問題児扱いされた上に、アホ…。

まあ良い、集団の中に一人でもクズがいればその集団がクズに見えるのと同じ原理だろう。

それより、最初の授業はランク査定試験のようだ。

＿＿＿＿

最初の授業、谷奥の旗までの競争。

つまりはスピード勝負、私の十八番だ

コースは二つ。

安全な囀りコースと危険な金切りコース。

二個と言っても今年は金切りの長の気がたっていて金切りコースは禁止らしいので実質一択だ。

カル「総員準備」

説明が終わったところで、準備体制の掛け声がかかる。

自慢の羽を皆それぞれ広げ、各々が動きやすい姿勢をとる。

カル「用意、スタート」

その言葉を合図に私は羽を動かした。