検索窓
今日:32 hit、昨日:2 hit、合計:1,118 hit

9 ページ10

クイーンがネフェルティティの微笑みもといリンデンの薔薇を日本の星菱大造から62日後に盗み出す、という予告状を送ってから実に一月以上が過ぎていた。

クイーン「人間、やっぱり目標を持って取り組むという事は大切だね」

クイーンが指定した62日と言う長い期間

それは、今トルバドゥールの中に居る猫たちのノミを一匹残らず退治して、新しい飼い主を見つける為に使われていた。

一日一匹のノミ駆除をノルマとしたクイーンは、ノルマを終え、シャワーを浴びた後例外なくちょっかいをかけにキャビンへ来ていた。

ジョ「話しかけないで下さい。僕は僕で忙しいんです」

そんなクイーンを鬱陶しそに睨みつけるジョーカー。

ジョーカーは只今、クイーンの気まぐれで積み重なる猫たちの里親希望のメールや手紙を処理している。

A「クイーン‼︎」

そんなジョーカーの苦労を分かち合おうともせずに、乱暴にキャビンの扉を開けたA。

クイーン「何かあったのかい?」

A「ええ、大有りよ」

Aは眉と声を顰めて続ける。

A「この子、一度も飼い主希望が現れてないの。他の子たちは皆一度は希望を出されているのにですよ?」

抱かれた猫がクイーンの眼前に出される。

募集を呼びかけているネットホームページにはAが丹精込めて撮りあげた各々の猫の写真を載せてあり、どの猫が欲しいのか目安程度に投票出来るようになってある。

皆、一度は選ばれたことがあると言うのに、Aが抱える子には一度も票が入らないと言うのだ。

クイーン「うーん、それは困ったね」

目を閉じて考え込むクイーンにAはでしょう‼︎と言って提案する。

A「このまま、適当な所へ送られて可哀想な思いをするかもしれないなら私が飼ってあげたいの」

お願いします、と上目遣いで強請るA。

クイーン「そうだね、飼い主が見つからないのであればそれも検討しようか」

チョロいという印象をうめつけたくないクイーンは、可愛らしく強請るAに威厳を見せようと精一杯顔を作った。

A「やったぁ‼︎名前はもう決めてあるんです」

しかしAは了承は得たと言わんばかりの勢いで猫と共にクルクル回る。

クイーン「名前を付けるのはまだーー」

A「何色の首輪が良いと思います?あ、部屋に糸が有るから私が作ってあげよう。」

楽しくなってきたー!と嵐のようにAはキャビンを去って行った。

クイーン「……ジョーカーくん、一匹飼い主が見つかったようだよ」

ジョ「威厳もへったくれもありませんね」

クイーン「…………」

10→←8



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (5 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
3人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ラーメン | 作成日時:2023年7月22日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。