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クイーン「そうは言うけどねジョーカーくん。猫のノミ取りというのは中々難しいものなんだよ。」
クイーンの古代ギリシャの彫刻の様に美しい顔を銀色に近い白髪が程よい角度で覆われていた。
その隣では猫を撫で、幸せそうな顔を浮かべるAがいる。
彼女にはクイーンのようなギリシャ彫刻のように深い彫りは無い。
しかし、見開かれる大きな瞳、汚れを知らない肌、高すぎない鼻、小さな唇。
面倒くさいというズボラな理由でいつも流されている髪も、手入れは怠っていないのか真っ直ぐ下へ流れるように伸びている。
二人が揃うとまるで絵画のようだなとも思う。
ジョ「ノミ取りが難しかいかどうかを聞いてるんじゃありません。僕はこの猫達を何とかして欲しいとお願いしてるんです。」
だが、それとこれは別だ。
朝起きたらトルバドゥールの中を猫が巣食っていた。
再びじゃれてくる猫達を睨みつける。
すると
A「ジョーカー!!邪眼で睨まないでよ、猫ちゃんが怖がっちゃう」
Aは高い声を上げて言った。
…これさえ無ければ立派な淑女だというのに、と常々考える。
ジョ「で、貴方は僕のお願いを聞く気があるんですか?ウィかノンで答えてください」
RD『私からもお願いします。猫の抜け毛でトルバドゥールの空調システムが大変なことになっているんですよ。』
RDと僕のお願いにクイーンは悲しそうに目を伏せる。
クイーン「ジョーカーくんもRDも冷たいね。そんなに猫ちゃん達を邪魔者扱いしなくたって良いじゃないか。ね、君もそう思うだろう?」
A「ええ、全くだわ」
クイーンは猫の腹を吸うAを味方につけた。
ジョ「…何処で猫のノミ取り等という趣味を覚えてきたんですか?」
クイーン「この間会った背の高い名探偵にだよ」
間髪入れずに答えたクイーンの返事に食いつくのはAだった。
A「だぁれ?それ。私知りませんよそんな人。」
身に覚えが無い!とAは拗ねたように言った。
ジョ「だって、その時君はトルバドゥールで爆睡していたからね」
自分の仕事を早々に終わらせ、クイーンの世話という一番面倒くさ…大変な仕事を放置してトルバドゥールへ戻って行ったAが頭に思い浮かぶ。
A「……レディはホルモンバランスとかが崩れたりして忙しいのよ」
次は語尾を段々小さくする。
クイーンはそんなAの頭を撫でたが、ノミを触った手で撫でられたことが不快だったのか手を弾かれていた。
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作者名:ラーメン | 作成日時:2023年7月22日 1時