49 ページ50
クイーンが優美な仕草で礼をする。
クイーン「そして、こちらにいるのがわがよき友のAとジョーカーくんです｣
ジョ｢僕達はあくまでも仕事上のパートナーです。」
律儀に言い直すジョーカーの横で、こんばんわ、とAは微笑んだ。
「中々いいコンビネーションですね。」
皮肉ともとれるセリフをいって、王は笑顔で3人を見ている。
「この部屋にくるまで、ガードマンと、山のような防衛システムがあったはずですが───｣
クイーン｢ガードマンは、働きすぎのようですね。
居眠りをしてますよ、あと、防迎システムは、トルバドゥールに残っているRDが無効にしました。
システムに侵入されないよう、もう少しプロテクトを工夫したほうがいいでしょう。」
「RDとは？」
クイーン｢私の飛行船トルバドゥールを操るわがよき友です。」
クイーンが説明すると同時に、
［私は友ではなく、一介の人工知能です。」
と、RDが訂正した。
だが、残念なことに、小型受機を耳にいれていない王嘉楽には、聞こえない。
｢飲み物は、ブランデーでよろしいですかな？」
カクテルキャビネットから、スヴェール・ブラスタッドの瓶をとりだす。
クイーン「おかまいなく。」
そういいながらも、クイーンは出されたブランデーグラスを手にとる。
それは横のAも同じだ。
むしろ、「やった」と小さく呟いてさえいた。
この人たちは毒が入ってるんじゃないかと警戒する気持ちは持ってないのだろうか
自分に渡されたブランデーグラスを見つめながら、ジョーカーは思った。
「進めたたソファーに座ってもらえるというのは、うれしいものですな。」
王が、目を細める。
「それで、どのようなご用件ですか？」
クイーン「予告状を届けにまいりました、誕生パーティーのときに、半月石を披露されるそうですね。
それを頂こうと思います。」
「ほう。」
クイーンと王嘉楽の会話を聞いていて、ジョーカーは不思議に思った。
二人はまるで世間識をしているかのようなのだ。
しかし、クイーンの隣で足まで組み始めた自分の片翼の相棒はあろうことかブランデーに舌鼓を打っている。
まるで、貴方たちの話は私に関係ありませんよ、とでも言っているようだ。
そのくせ話どころか相手の表情や呼吸をしっかり読み取っているところが末恐ろしい。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ラーメン | 作成日時：2023年7月22日 1時
