48 ページ49
───夜
もうすぐ満月を迎えようとする巨大な月が、四龍島城砦の建物を照らしている。
木の屋根、石の屋根、瓦の屋根、時代様式もさまざまな建物の屋根を、三つの黒い影が進んでいる。
ダンスをしているかのように、黒い影はかろやかに進んでいく。
一つの影は、クイーン。銀色の長い髪が、月の光を浴びて更に輝いている。
2つ目の影はジョーカー。
その影の瞳は月よりも青い。
三つ目の影はA。
一番奥で巫山戯て跳ねるように進むその人の影が、動きやすそうにスリットの入ったスカートを纏い、芸術品のように揺れる。
三つの影を目撃したがいたら、一体なんだと思うだろう。
大型の肉食獣だろうか？
いや、四龍島城砦に、あのような大型獣はいない。
それでは精霊か？あるいは悪魔か？
が、その正体をいつまでも考えられる時間はない。
あっというまに、影が視界から海えてい
るからだ。
───夢だな
影を目にした人は、無理にに自分を納得させる。
───
島の周囲の線路。列車が、光の槍のように走っている。
カクテルライトの消えた球場が、ぽっかり黒く見える。
サッカーフィールドの芝生が、濃い緑色で浮かぶ。
子どものときに欲しかった鉄道模型、野球盤、サッカーゲーム…
玩具は手に入らなかったが、本物を手に入れた。
電気を消した部屋の中で、王嘉楽は、持っていたブランデーグラスを口に運ぶ。
そのとき、王は、背後に人の気配を感じた。
「誰ですか？」
その言葉に、闇の中から人影が三つ進みでる。
窓から入る月の光に照らされて、クイーンとジョーカー、(願望)の姿が現れた。
クイーン「こんばんは、王嘉楽。」
クイーンがいった。
「誰ですか君たちは？」
そうきく王の声は落ち着いている。
クイーン｢私の名はクイーン、怪盗を生業にする者です。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ラーメン | 作成日時：2023年7月22日 1時
