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「ああ、3人ともここにいたのか」
洪監督が現れクイーンは、隠れようとするジョーカーの背中を押す。
クイーン「すみませんでした監督。
李も、すっかり元通りですから、撮影に戻りましょう。」
そういうクイーンの手を、濃監督が握りしめる。
クイーン「え?」
事態が飲み込めないクイーン。
「さっき、李くんの耳を引っ張るのを見てましたよ。
先程の李くんの動きは格闘家として超一流のものだ。
しかし、あなたは彼の事を、いとも簡単に掴むと、引っ張って行った。
あなたが映画にでてくれれば、真のアクションシーンがとれる。」
そういう洪監督の目が、燃えている。
クイーン「えーっと…。」
クイーンは、ようやくわかってきた。
洪監督はクイーンに、アクションスターとして映画にでろといってるのだ。
クイーン「でも私はただのマネージャーにすぎません映画にでるなんて、無理ですわ」
殊勝な声で断ろうととするクイーン。
だが、洪監督はクイーンの手を離さない。
「僕の目に狂いはない!」
それは、自分の撮りたい映画のためには、悪魔に魂を売り渡してもいいという男の口調だ。
ジョ「仕事の選り好みは、よくありませんよ」
ジョーカーの声は、氷柱のように冷たい。
───絶体絶命のピンチ。
しかし、クイーンは、微笑んだ。
クイーン「わかりました、よろこんで映画にださせていただきますわ」
そして、やんわりと監督の手を外し、そのままさりげなく洪監督の背後を指さす。
クイーン「あら、あんなところにUFOが───」
「え?」
振り返り空を見上げる洪監督。
しかし、青い空には、マシュマロのように白い雲が、ぽこぽことういているだけだった。
「やだなあ、なにもいないじゃ───」
視線を戻したとき、そこにクイーンはいなかった。
「あの、朱マネージャーは…」
きょろきょろとあたりを見まわす洪監に、A頬を膨らませて言う。
A「姐姐はぁ、暫く出てこないかなぁ?」
隣では、こういう人なんだクイーンという人は。
とジョーカーがため息をついた。
[それが真理ですね]
超小型通信機から、RDのため息まじりの声が聞こえた
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作者名:ラーメン | 作成日時:2023年7月22日 1時