42 ページ41
「やあ、待ってたよ、龍狼くん、よく出演をOKてくれたね。」
洪監督は、握手のために右手をだした。
しかし、その手を握ったのは、龍側ではなく、朱マネージャー。
クイーン「私、マネージャーの朱麗青です。
このたびは、2人を使って頂き、お礼申しあげます
わ。」
笑顔であいさつする朱の横で、兄妹はぼんやり、つっ立っている。
「じゃあ、さっそくカメラの前に立って貰おうか。
シーンは、町にやってきた主人公が、チンピラに絡まれるところだ。」
洪監督が、龍狼の肩をポンと叩く。
ジョ「えーっと…」
キョロキョロする龍狼。
「まだ台本を頂だいてないんですが…」
「はっはっは！ナイスジョーク！」
洪監督が龍狼の肩をポンポンと叩く。
「香港映画では、台本をほとんど使わないことを君も知ってるだろ。」
えっ、そうなの？という感じで、龍狼の顔から血の気が引く。
その表情を見た小蘭、基Aは今度から変装をする時はその地一切の情報とジョーカーの分の情報を全部調べあげて共有してあげようと心に誓った。
「安心したまえ、全てのストーリーは、僕の頭に入ってるから。」
自分の頭を指さす洪監督。
「テーマは、「アクションこそ命｣。
というわけで、君は得意の地形で暴れてくれたらいいんだよ。
小蘭、君は飛び切り可愛い女の子でいてくれたら良いからね｣
洪監督が、龍狼の肩をポンポンポンと叩き、小蘭にウィンクを送った。
A「承知致しましたぁ」
ジョ｢はぁ…」
語尾の伸びる柔らかな小蘭と気弱な龍狼の返事。
そのとき、
「やあ、龍狼くん、長旅で喉が乾いただろ。
コーヒーをどうぞ。」
ススススと述づいてきたスケルツィが、コーヒーの入ったマグカップを、龍狼に渡した。
ジョ「......どうも。」
「いやあ、やっぱりコーヒーは、最高だね。」
自分もコーヒーを飲みながら、棒読みみのようにいうスケルツィ。
目には、意地悪そうな光を宿していた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ラーメン | 作成日時：2023年7月22日 1時
