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デッキの反効側では、背の高い男がアイスクリームを舐めながら話を続けている。

「ただ、クイーンは、だだっ子みたいなところがあるからな…もうすこし、精神的に成長しないと、偉大な怪盗の先輩たちを追いこすことはできないだろうな」

それを聞いて、またクイーンの耳がピクッと動いた。

ジョ「あの背の高い男、なかなか、闇の世界にくわしいですね。」

A「実は彼もこちら側の人なんじゃない?」

二人のの感想を聞いて、またクイーンの耳が動く。

クイーンは、引き攣った笑顔で背の高い男のところにいくと、ハンカチをだした。

クイーン「汗がでてますわ、どうぞお使い下さい」

男の視線がハンカチにうつった瞬間、クイーンの腕がスッと動いた。

───一陣の風が吹く。

ジョ「なにをしたんですか?」

戻ってきたたクイーンに、ジョーカーはきいた。

でも、クイーンは、不貞腐れて答えなかった。

背の高い男は、得意そうに話している。

「まあ、しょせん、クイーンといえども、偉大な先輩たちとくらべたら、まだまだ雑魚のようなものだけどね。」

そして、背の高い男と小太りの男は、デッキの手すりにもたれて高笑いした。

すると、パキッという乾いた木が折れるような音がして、2人がもたれかかっている手すりの木が折れた。

背の高い男と小知りの男が、部笑いとともに、海に潜えていく。

「おーい、だれか落ちたぞ!」

「船をとめろ!」

「浮き輪を落とせ!」

フェリーの中は騒然となった。

クイーン「潮風で、手すりのパイプが腐食してたのかな。怖いね」

ぼけた声で、クイーンがいった。

ジョーカーはなにも言わず、呆れたAは駆け出し、浮き輪を手に取り勢いのまま海へとダイブした。

泳ぎは得意な方なのだ。

船は既に止まっており、今にも溺れそうな小太りの男を助けるには一番効率が良いはずだ。

止める間もなかったその背中を、あれほど目立つなと…と額を押えながら眺めるジョーカーがいる。

その中に船客が右往左往する中で、折れた手すりを眺めている女性がいた。

女性は、手すりの切断面を眺めてから、クイーンとジョーカーの所へやってきた。

そして、

「お久しぶりね、クイーン…彼女は大丈夫なの?」

海の方に視線をやって言った。

裾の拡がった白いドレスを着た女性。

幼い顔立ちをしているので若く見えるが、落ち着いたた雰囲気から考えると、二十代後半のようだ。

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作者名:ラーメン | 作成日時:2023年7月22日 1時

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