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クイーン「うん、いいねえ。
これこそ、まさに怪盗の美学に相応しい。」
ジョ「どういうことですか?」
よく理解できないジョーカー。
「簡単なことだよ。この映画スタッフにまぎれてしまうのさ。」
クイーン「ジョーカーくん、きみは李龍狼に変装するといい。よかったね、主役だよ、主役!
それに、A君にもヒロインという大役がある!」
A「うん?」
隣で一応参加はしていたものの、パソコンをなにやらカチャカチャと弄っていたAはよく理解せず曖昧に頷いた。
ジョーカーは、どんな反応をしたらいいのか、よくわからない。
クイーン「RD、龍狼と小蘭のデータをだしてくれ。」
[了解°]
そう答えるRDの声が、微妙に震ええいる。
どうやら、この状況を楽しんでるようだ。
[季龍狼、十九歳。十歳のときから京劇の学校に入り、功夫と京劇を学ぶ。
十五歳で映画デビュー、昨年の『狐狼挙』で香港シネマ助演男優賞を受賞。
これからの活躍が注目される若手アクションスター]
画面には適性に髪をのばした、痩せた男が写った。
[李小蘭、16歳。
劇や芸能界に触れることなく育ち、現在九龍城區高校に在学中。
昨年の『狐狼拳』にて、龍狼経由でエキストラとして作中に登場した際、ほんの数十秒程度の出演で『可愛すぎる妹』として話題になり、その後兄と共にエンタメに出演したことをきっかけに芸能界に足を踏み入れました]
画面には小柄で華奢、しかし顔立ちははっきりしており、猫のような大きな目を持った誰が美少女と言っても頷ける少女が映った。
A「あー、この子かぁ」
知ってる知ってる、とAは絶妙な顔をした。
クイーン「うん、いいね。
この2人ならなら、ジョーカーくんとAとも年齢も近いし、背格好も似てるし、変装しやすいだろ」
ジョ「僕は嫌です」
無然とした表情のジョーカー。
クイーン「どうして?君ならアクションスター程度の功夫くらい、十分真似できるだろ。」
ジョ「格闘術は実戦のためのもので、芝居のためのものではありません。
それに、カメラの前で微笑むこともできません。」
クイーン「練習すれば、大丈夫だよ。」
無責任なクイーンの台詞。
ジョ「それに、李龍狼という名前もイヤです。
『ロンロン』なんて、動物園のパンダみたいじゃないですか。」
しかし、すでにクイーンは、ジョーカーの言葉をを聞いてない。
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作者名:ラーメン | 作成日時:2023年7月22日 1時