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[さっきクイーンが見ていた新聞です。
私はクイーンがソファーの下に、新聞やワイン、雑誌をためこまないように気をつけてるんです。]
A「それの何処が可笑しいの?
クイーンはそこら中にものを貯めるじゃない、この間はプチプチ潰して感触を楽しむ謎のシートを持ち込んでは散らかしていたし」
蝙蝠のようにハンモックからぶら下がるA。
長い髪が重力に従い垂直に落ちる。
2人は世界最高の人工知能であるRDが、なにを不思議がっているのか、理解できなかった。
[持ちこんでるのがワインなら分かります。
でも、新聞はワインと違って次から次へと新しいものがでてきます。
わざわざ古新聞を選んで、ソファーの下へ持ちこむ必要はないでしょ。]
いわれてみれば、そのとおりだ。
ジョーカーがさっきクイーンが読んでいた新聞を拾い上げる。
日付を見ると、一週間前のもの。
おまけに、王嘉楽の誕生パーティーの記事は、よほど注意して読まないと、見のがしてしまいそうなほど小さなものだ。
2人はなにかひっかかるものを感じた。
しかし───
ジョ「別にいいじゃないか。
僕としては、どんなきっかけでも、気まぐれなクイーンが仕事をする気になったから、嬉しいよ。」
Aはともかくジョーカーの表情は比較的穏やかだ。
それも、微々たる変化なのだが。
[…このきっかけは、ただの偶然なのでしょうか?]
A「まさか、半月石に導かれているとでも?」
[いまはまだ、わかりません。ただ───」
ジョ・A「「ただ?」」
[クイーンが、王嘉楽の誕生パーティーの記事を読んだことは、偶然のでしょうか?
伝説の半月石が姿をあらわすのは、偶然なのでしょうか?
という疑問が残るだけです」
ジョ「それらについて、RDはどう考えてるんだ?」
[…………]
A「RD?」
[データが少なすぎます。回答不能。]
ジョーカーは、その声を聞いてゾッとした。
いつも聞きなれているはずのRDの声が全く違うものに聞こえたからだが、ドローンと溶けきっているAには感じ取れなかったようだ。
ジョーカーは考える。
世界最高の人工知能RDが答えられないのだから僕が考えても、時間の無駄だな、今クイーンが仕事をする気になったことを、素直に喜ぼう。と
ジョ「二人とも」
ジョーカーが、ガラステーブルにカメの台座を置き角材を拾いい上げて言う。
ジョ「僕とも勝負してみないかい?」
その誘いにAはめを輝かせる。
A「ドベはクイーンがこっそり隠し持っているフィナンシェ強奪ね」
[手加減しませんよ。]
その口調は、いつものRDのものだった
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作者名:ラーメン | 作成日時:2023年7月22日 1時