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ソファーから起きあがるクイーン。

クイーン「さっきの1058手めが決定打なるはずだったんだ。Aが1059手めの角材を置くことは出来なかったさ」

[それは、あなたの希望的観測ですね。
世界最高の人工知能である私は角材の乗せられた位置から全体の重心、さらには部屋の気温と湿度、貴方たちの立つ位量を計算し、次にどこへ乗せればいいかの答えを、0・5秒以内でだすことができます。
この調子でゲームをつづけていけ
ば、!1089手めでの私の勝利は確定ていました。」

クイーン「今度システムの点検をやったほうがいいね。
おかしなウイルスに感染しているんじゃないかい?」

[あなたこそ、脳内にウイルスが巣くってるんじゃないですか?]

A「もうやめて!!」

この低レベルな言い争いは、ジョーカーがテーブルを叩くバン! という音でテーブルに散らばっていた角材が、震動でとびはね終わった。


RDは黙り込みクイーンはソファーに戻り、Aは最近吊るし始めたハンモックに隠れる。

ジョーカーは、大きくため息をついてクイーンを見た。

ジョ「仕事をしようという気持ちは、ないんですか?」

するとクイーンは、いかにも心外だという声で言う。

クイーン「なんという失礼な台詞だろうね。
私のような勤労意欲の塊にむかって、よくそんなことが言えるもんだ。」

ジョーカーは、拳を握りしめて怒りを抑えた。

ジョ「僕の思ってる『勤労意欲』と、あなたの言う『勤労意欲』が、同じ意味だとは思えないのですが───」

クイーン「疑間は、すぐに解決したほうがいい。
さっそく、調べてみよう。」

寝ころんだままソファーの下に手をのばし、クイーンはフランス語の辞書を取り出した。

そして、「勤労意欲」のページを開きジョーカーに渡す。

ジョーカーの見たページには、太いゴシック体で、次のように書いてあった。

───

勤労意欲【きんろういよく】

積極的に仕事をしようと思う気持ちのこと。

勤労意欲の塊=クイーンのこと

───

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作者名:ラーメン | 作成日時:2023年7月22日 1時

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