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荒い息だけが響くトレーニングルーム。
かれこれ15分Aは最速を維持したままランニングマシーンの上を走っていた。
ジャスト20分を超えた時、Aは解放されたようにランニングマシーンの上から飛び降りる。
A「しっ、新記録達成…」
肩で息をしていると急に身体に影がかかる。
ジョ「何分もったんだ？」
揶揄うように冷たい水を差し出してきたジョーカー。
影の正体は彼のようだった。
A「20分。一週間前よりも3分長く走れたの」
水を受け取り全て飲み干した後に言う。
ジョ「僕なら40分は余裕だけどね」
A「…変な所で対抗心燃やすよね、まぁ、体力馬鹿なっ貴方と違って私はここを使うから。」
頭をこんとさして言う。
ジョ「頭を使わざるを得ない、の間違いだろう？」
A「ジョーカーだって結局は全部スピード任せじゃん。バランサーで一度も勝てたことないくせに偉そうにしちゃってさ。」
ジョ「それは、負けそうになる度に涙ぐむ誰かさんのせいだろ」
A「この堅物‼︎」
ジョ「泣き虫」
そこまで言い合いがヒートアップした所でパッチリとジョーカーと目が合う。
A「ふふっ…おっかしい」
暫く無言で見つめあった後私が負けてしまった。
このやり取りは何も今日が初めてではない。
私達はクイーンに拾われた日から大凡同じ物を与えられてきた。
そこで生まれるちょっとした対抗心など可愛いものだろう。
A「ねぇ、ジョーカー、久しぶりに手合わせしようよ」
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作者名：ラーメン | 作成日時：2023年7月22日 1時
