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公演が終わってから既に2時間が経過していたにも関わらず、演技が繰り広げられていたテントの下にはサーカス団の全員が集まっていた。
ある者は高網のロープに腰をかけ、ある者は観客席に座り私達３人を傍観している。
しかし皆、団長以外は化粧を落としていた。
「よく来てくれたね。今日の公演は楽しんでくれたかい？」
中央の舞台に立つ男。
団長のホワイトフェイスが私達に問いかける。
クイーン「ええ、楽しませていただきましたよ。ただ、今度からは招待券をいただけると嬉しいんですがね」
クイーンにそう言われてホワイトフェイスは苦笑する。
「で、今日は何の御用で？」
白々しく答えたホワイトフェイス。
なるほど、この面の皮が厚い奴がクイーンを負かした本人か。
納得の変人具合だな、と思った。
クイーン「カードを変えしにきたんですよ」
ホワイトフェイスはカードを見せた。
本物とみま違えるほどに精密な模造品のカードを。
「では、次に君たちが怪盗クイーンとジョーカーだと言うことを証明してもらおうか」
ホワイトフェイスは葉巻を吸いながら言った。
A「あら、ピエロさんには私が見えていなくて？」
ジョーカーが呼ばれていて、私が呼ばれないとは何事なのか。
「失礼、クイーンとジョーカー以外の名は調べても出てこなかったのです。レディのお名前は？」
幼子をあやすような言い方に不快感を抱く。
A「エース」
クイーンとジョーカーの名前はトランプの用語でもある。
おそらく、クイーンがクイーンと言う名なのでジョーカーもジョーカーなのだろう。
クイーンに拾われた当初、私もトランプに因んだ名を贈って貰ったのだがどうしても聞き馴染めなくてAという別の名を貰った。
しかし、今は違う。
今は怪盗のパートナーとして仮面を被る時間だ。
なので、仕事の時間は自分自身の事を”エース“と名乗ってるわけだが何故かクイーンとジョーカーの名前が広がるのと反比例して、私の名前は全然広がらない。
寧ろ存在ごと消されたように情報がなくなっていく。
ジョーカーと比べれば私の方が裏方が多いとはいえ、ちゃんと潜入だってしているし何度か警察にまみえた事だってある。
なのに何故か私の情報は皆無なのだ。
悔しい、と心の中を荒らしていると、本物か否かを確かめるためがサーカス団の力男と闘うという流れになっていた。
ジョ「君の出番だよ」
ポンと肩に手が乗った。
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作者名：ラーメン | 作成日時：2023年7月22日 1時
