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A「お前はこんなに可愛いのになんで誰も貰ってくれなかったんだろうねぇ｣
ベッドの上に寝転がりながら新入りの猫に語りかけるA。
ツンとあっちの方向を見て、にゃあとも鳴かず目を細める新入り。
A「きっとそういう所よ」
眉間当たりをくすぐってやれば無愛想に猫はベッドから降りて言った。
A「ほんと、貴方を見ているとジョーカーが思い浮かぶわ。白猫も一緒に飼うべきだったかしら｣
一人ボヤいているとノック音が響き渡る。
A「はぁーい、どうぞ」
その言葉でガチャりと空いた扉。
A「珍しいね、私の部屋まで遊びに来る何て」
そこには紙を一枚持った仏頂面がたっていた。
ジョ「あぁ、誓約書がまだだろう？」
A「誓約書？」
聞きなれない単語に首を傾げるA。
ジョ「君がその猫を最後まで世話をするようにね」
A「…求む信用」
ジョ「信用してない訳では無いよ、ただ心配なだけだ｣
ズイッと押し付けられる紙。
内容としては、猫の餌やりを忘れないこと、トイレの砂は自分で管理すること、放し飼いにしないこと、噛みグセが付かないように躾をすること、、、などなど
基本的なことが書かれていた。
A「大丈夫よ、この子賢いから噛まないわ、誰かに似て目つきは鋭いけどね｣
ジョーカーにサインした誓約書を渡す。
A「これでいい？」
ジョ「大凡は」
ジョーカーは表情を変えずに言う
ジョ「クイーンへの誓約書がまだなんだ」
A「…それは大変。大丈夫？猫吸う？」
すぐそこを歩いていた猫を捕まえて目の前へ差し出す。
もとは私が飼うと言い出したのだが、同じ空間で過ごすのだから、クイーンともお約束を決めなければならないだろう。
あと、今後のトルバドゥール内の動物持ち込みの規約も。
ジョ「いや、大丈夫だ。それじゃあ、僕は帰るよ」
意を決して差し出された猫に触れようとしたジョーカーは、猫に首を思いっきり避けられ帰ると言う。
A｢次は触れるわよ｣
ジョ「期待しないで待っとくよ、それで、その猫の名前は何にしたんだ？」
ジョーカーは扉の前でふと問いかける。
A「"スクラ"、彼の名前はスクラ」
もう一度、Aはスクラを高く抱き上げた。
ジョ「意味は？」
A「内緒。RDに聞いてはダメよ、自分で考えてみて」
Aはスクラの意味を思い起こして自然と笑みを零す。
全く検討の付かないジョーカーは無言で扉に手を伸ばす。
A「鏡の前に行ったら答えが分かるかもね」
見送ったAの台詞が終わると同時に扉はしまった。
･スクラ、ラテン語でジョーカーの意味･
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作者名：ラーメン | 作成日時：2023年7月22日 1時
