ハルのさやみる小説 ⑦ (ページ50)

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時を超えて　76 ページ50

「んん…」

目が覚めたそこは、いつもと違う場所だった。

「あっ、みるきー！」

気づいた時には菜々さんに抱きしめられていた。

「菜々さん…？」

「怖かったやんな」

「菜々さん…」

人の温もりを感じる。

あれ。何か大事な事。

忘れてる気がする・・・あ！

「彩は！？」

集中治療室。
「うそ…」

「彩ね。魔法を使うのに、多分人の2,3倍体力を消耗するの。

それもあって、今はここに」

「そんな…」

「大丈夫。もう命に別状はないから。

今は大事を取ってここにいるだけよ。

目覚めたらお礼言いなさい。ね？」

「…うん。いつ目覚めるん？」

「わからへん」

「そっか」

(また待たせるん？

なぁ彩…もう待つのは疲れたよ)

彩は私を助けに来てくれた。

あんなに傷をおっても、私を助けてくれた。

もう、偽物でもどうでもいいや。

彩は彩なんだ。

私の大好きだったヒーローなんだ。