【イナアレ】女帝、サッカーを知る。 (ページ9)

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アウターコード『帝国学園の新監督』ページ9

あれから数ヶ月後、三年生になった鬼道Aは部室に向かっていた。結局秋FFには出れず、監督も決まらないまま時間だけが過ぎていった。

A自身は部活に重ね、生徒会長としての仕事や他の役員達への引き継ぎもあり、今まで以上に忙しい日々を送っていた。

このまま歩いていたらミーティングに遅れる。周りを見回して誰もいないことを確認してから早歩きにした。
時間ギリギリに部室に滑り込むと、キャプテンの佐久間と知らない男子が何やら不穏な雰囲気。訳を聞けば不動と名乗る男が喧嘩(？)を売った様子。

「・・・とりあえず二人共座れ。もうそろそろ新しい監督がいらっしゃる」

「A！だが・・・！」

「しつこいぞ、佐久間」

ごねる佐久間を宥めているとパッと電気が暗くなる。停電か？と思っていると前にあるステージから二人の男性が出てくる。
一人目は顧問の安西先生。
二人目は・・・

「私が新監督の、影山零士だ」

捕まっていた影山だった。佐久間達は驚いて声も出ない。不動は、新じゃねぇじゃんと正論を言う。
源田は驚きつつもAを見る。
Aは目を大きく見開いてから俯く。暗くてよく見えないが少し頬が紅くなっているように見える。
源田はAが使い物にならないことを察すると苦々しげに影山に噛みつく。

影山はアレス更生プログラムという物により刑期を早く終えたらしくもう罪人ではないらしい。
けれども、それは彼らにとって受け入れられるものではなかった。
尚も反論しようとするととある少年が姿を表す。
青いポニーテルを揺らして大股で歩いてくる。見た目からくるイメージとと仕草が一致しない、その少年は・・・

「風丸・・・！？」

Aが顔を上げる。
その少年は初めて帝国に来た時とはかけ離れた冷たい表情をした風丸一郎太だった。
佐久間が動揺した様子で風丸を問いただす。だが、明確な答えは帰ってこず異様な雰囲気でミーティングが始まったのだった。