【イナアレ】女帝、サッカーを知る。 (ページ17)

今日:8 hit、昨日:7 hit、合計:10,654 hit

無二ページ17

Aは何も言えなかった。その言葉は佐久間の心からの叫びで、あまりにも悲痛で否定することなんてできやしなかった。
それに、自身に重なる部分が多すぎて、何と言っていいのか分からなかった。
けれど、何か言わなきゃ後悔する気がした。

「お前は鬼道有人になれない」
「そんなこと知ってる！」

佐久間は叫ぶように言った。その後も何か言おうとしていたが、遮って言った。

「けれど、鬼道有人も佐久間次郎にはなれない」

佐久間が驚いたような顔でこちらを見た。

「私だって有人にはなれないし、お前にもなれない。けど、私は知ってる。お前の努力を」

夜遅くまで残って戦略を考えていたこと。チームメイトの相談に乗っていたこと。全部、全部、見ていた。サッカー部に入る前も。入ってからも。

「お前は、お前に出来ることをすればいいじゃないか」
「けど、俺は鬼道みたいには…」
「しつこい！！！」

佐久間がびくっと震える。

「鬼道鬼道とうるさい！それしか言えないのか！確かにお前は有人みたいには出来ない。けれどお前にしか出来ないことだってあるはずだ！」
「でも俺じゃキャプテンは…」
「私は！お前がキャプテンじゃなきゃ嫌だ！お前だからついていきたい。負けてしまっても次に繋げたい。そう思うんだ！他の奴らだってきっとそうだ！」

自分すら意識していなかった想いが、次々と言葉になっていく。

「何で有人の代わりのキャプテンがお前だったのか考えたのか！」
「え…」
「お前が！帝国学園のキャプテンに相応しいから！皆がそう思ったからだろう！勝手にお前の価値を決めるな！！！」

大きな声で言い切る。肩で息をしながら佐久間を見やる。佐久間は何か考えるような表情をしていたが、顔を上げた。

「……もう少し、俺に出来ること、考えてみる」
「…ああ、私も手伝おう」

＿＿＿＿＿＿

別に佐久間落ちじゃないです。
途中で書くの完全に飽きてますね。

あんスタにハマりました。マヨさんかわゆい。