敗北 ページ16
結論から言おう。帝国は負けた。それはもうコテンパンに。
相手は星章学園。強化委員の鬼道有人によって頭角を表した。Aはそう認識していた。
警戒すべきは鬼道有人のみ。他は有象無象。その認識は間違いだったと言える。
鬼道有人は出ていなかったにも関わらず、星章学園自身の圧倒的な実力と、灰崎凌兵というFWの存在により大量失点を喫した。
Aとしては鬼道有人に負けたような気持ちになり非常に不愉快極まりない状況である。
だが、そんなことより今は倒れている彼らの方が気になった。
風丸と不動以外は皆地面に伏している。
ベンチ組が駆け出すのを見て、自分も向かおうとするがどうしてか動けない。
そのままAは皆がこちらに来るまで、固まり続けていた。
A達は家ではなく帝国学園に戻っていた。今年から全寮制になったからである。
今日は予選だったたら練習がない。だが、練習がないとはいえ、大事な一回戦目の結果があれだ。休むわけにはいかなかった。
佐久間が見当たらない、と心配そうに源田が言う姿に何故か罪悪感を覚え、佐久間を探し回っていた。正直自分も練習するような気分になれないのでちょうどよかった。サボりはよくないが、これはれっきとした気分転換、何の罪もないのだ。
そこら辺を適当に探索していると、佐久間が座り込んでいた。音で気づいたのか、びくっと肩を震わせ勢いよくこちらを振り返った。
「…何だ。Aか」
「どうしたんだ。そんな所に座ると汚れるぞ」
「ほっとけ」
軽口は叩けるようだが、やはりどこか覇気がない。
「…星章学園、強かったな」
「ああ、正直侮っていた。有人がベンチであれだ。本来ならもっと強いんだろう」
何も考えずに言葉を発してからはっとする。流石に無神経すぎた。
謝ろうと口を開く前に佐久間が零した。
「俺じゃなくて鬼道なら、こんな無様晒さなかっただろうな」
「そんなことは…」
「そんなことある！！！」
佐久間が大声をあげる。Aは気圧された。
「俺に出来ることはした！鬼道がいた頃のように出来るようにたくさん努力だってした！その結果があれだ！」
一息で言い切ると、泣きそうに顔を歪めた。
「俺に、キャプテンは無理だ………」
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実はこの話データ消えまくったんですよね。
それと急に伸びてビビってます。
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作者名：むめい | 作成日時：2023年2月23日 11時
