105:君の目 ページ6
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「それ、ホソク先輩に言ったの」
『それっぽい、ことは…』
「ふーん」
『あれ…やっぱり言ってない、かも』
「どっちだよ」
『あっ』
「え?」
『あのパネル、シルエットにはまるんじゃない?』
私が指差した方を見て、はぁ…と一つため息をつく。
「何か…うん。めちゃくちゃに拗れてんのは分かったよ…
てか思ったよりもしっかりしてて良かった」
『そうだよ、だから心配しないで』
ようやくソクジンくんから解放されて、ほっとする。
本当は今日、遊びに来るのも凄く迷った。
だけど変に遠ざけてしまうのは違う。
生徒会と距離を取るもの間違ってる。
それは私のなりたい姿からかけ離れてしまう。
『ソクジンくん』
「ぅん?」
さっさと切り替えて、シルエットに合うパネルを探している。
『ありがとう』
「何の感謝」
『守るの要らない、とか…ムキになって大きな声出しちゃったけど…心配してくれるのは、嬉しいよ』
「なにそれ」
『いや…ごめん、ほんと…それだけなんだけど…』
ソクジンくんは輪っかになっているパネルを指に嵌めて、クルクルと回す。
「何が違うんだろう」
『……違う?』
「俺はただ、勉強や親の苦痛を慰め合う友人なんだよね」
すぐに勢いを失って、手の甲にパタンと当たって止まる。
「君の目が輝く理由には、なれない」
横顔がスッと見えなくなって、そのうなじを見つめる。
ソクジンくんの目に、私はどう映ってるんだろう。
いくつか物色した後に私を振り返る。ヤーヤー探せと一瞬でいつも通りだ。
私、そんなに素敵な人じゃないよ。
でもお姉ちゃんは社交的で、色んな事に積極的だった。
それでいて勉強にも手を抜かず、塾や模試で好成績を修め続けた。
その劣化版くらいには、なりたいなと思う。
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「ヤー、ラスト1分前。ギリギリ間に合って良かったよね」
ヨンジュン先輩はナゾトキ迷路用のタブレットをパタンと閉じた。
係員の方に返して、送信した成績表を待つ。
待機室が狭くて、私たちはヨンジュン先輩を残して3人で先に出る。
と、またソクジンくんがお小言を言ってくる。
「Aが粘るからギリギリになったんだ」
『大体ソクジンくんが、余計な話を迷路の中でするから』
「そのあと無駄にボーッとしてたんだろ」
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Suzy(プロフ) - あさなさなさん» 💜💛♥ (3月7日 1時) (レス) id: f57ab1c531 (このIDを非表示/違反報告)
あさなさな(プロフ) - Suzyさん» コメントありがとうございます!ちょこっと攻めました…!笑 (3月5日 21時) (レス) @page48 id: 4d4d65fc30 (このIDを非表示/違反報告)
Suzy(プロフ) - ソクジナの攻め💛楽しみです(^_<)-☆ (3月3日 2時) (レス) id: f57ab1c531 (このIDを非表示/違反報告)
あさなさな(プロフ) - るるさん» ご期待に応えられるような更新だったでしょうか…(ドキドキ) Xは(@asana_sana16)です。鍵付・成人表記があれば大丈夫です!興味を持っていただきありがとうございます! (2月2日 21時) (レス) id: 4d4d65fc30 (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - 久しぶりの更新ありがとうございます!!めっちゃ楽しみにしてましたー!!Mくんとのこれからがどんな風になるのかドキドキします…!お話変わるのですがあさなさなさんはXやってますか?あればフォローしたいので教えて欲しいです! (1月31日 21時) (レス) id: 345da165ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あさなさな | 作成日時:2023年11月23日 0時