149:揺れる ページ50
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「あの2人?…付き合ってるとかそういう話?」
「ヨンジュン先輩まで知ってた…」
「それが理由でここに集まってご飯食べてたの?」
「何日か経てば大丈夫だと思うんですけど、流石に今日は…」
ソクジンくんが苦笑いを浮かべると、ジミンくんはとぼとぼ戻って来る。
「ごめん2人とも。本当に俺のせいだね」
「デマなの?それなら勘違いみたいだよって周りに言っておこうか?変な知名度が上がっても、Aちゃん困るよね」
ヨンジュン先輩の提案にそれはそれで困ってしまって横を見ると、ソクジンくんもむつかしい表情を浮かべていた。
答えにくいよね…
『嘘、ではないので…ほとぼりが冷めるのを待ちます』
代わりに断りを入れる。けど、心の中がかき乱されていく。
嘘じゃない。
嘘じゃ…
私、こんなに自分に嘘ついて…
「……そっか。2人ともおめでとう」
いいんだこれで。
だって今は、ソクジンくんの事を一番に考えないといけない約束だ。
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放課後、今日は塾の日でソクジンくんと2人。
『問8のさ、内心と外心の距離の問題解けた?』
「色んな公式使ったけど…最後はオイラーかな」
『オイラーの定理?使える形に持っていけるの?』
「うん、できたと思う。塾ついたら見せるよ」
『すごいね…』
校門に向かう途中、3年生昇降口の方からホソク先輩とナムジュン先輩が歩いて来た。
大丈夫、大丈夫って心で言い聞かせてきてたけど、実際目の前にすると緊張で心拍数が上がってしまう。
大丈夫。ソクジンくんと手も繋いで無いし、いつも通りの距離感。
「さようなら」と声を出すと、先輩方2人も「ばいばい」「また明日」と返してくれる。
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……私、大きな勘違いをしていた。
ソクジンくんも隣で立ち止まる。
ホソク先輩と目が合わなかった。
むしろあからさまに逸らされた。
笑顔でナムジュン先輩と話す後ろ姿を見つめる。
本当に馬鹿だ。
何を自惚れていたんだろう。
たった少し背伸びしただけで、私自身が何か素晴らしい存在になれた訳でも、必要不可欠の存在になった訳でもない。
「A、ごめん…」
その寂しそうな声と、冷たい背中の間で揺れる。
それでも動けない。
今すぐホソク先輩の所に走っていけたら、良かったのに。
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終わらずすみません、続編に移行します。
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Suzy(プロフ) - あさなさなさん» 💜💛♥ (3月7日 1時) (レス) id: f57ab1c531 (このIDを非表示/違反報告)
あさなさな(プロフ) - Suzyさん» コメントありがとうございます!ちょこっと攻めました…!笑 (3月5日 21時) (レス) @page48 id: 4d4d65fc30 (このIDを非表示/違反報告)
Suzy(プロフ) - ソクジナの攻め💛楽しみです(^_<)-☆ (3月3日 2時) (レス) id: f57ab1c531 (このIDを非表示/違反報告)
あさなさな(プロフ) - るるさん» ご期待に応えられるような更新だったでしょうか…(ドキドキ) Xは(@asana_sana16)です。鍵付・成人表記があれば大丈夫です!興味を持っていただきありがとうございます! (2月2日 21時) (レス) id: 4d4d65fc30 (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - 久しぶりの更新ありがとうございます!!めっちゃ楽しみにしてましたー!!Mくんとのこれからがどんな風になるのかドキドキします…!お話変わるのですがあさなさなさんはXやってますか?あればフォローしたいので教えて欲しいです! (1月31日 21時) (レス) id: 345da165ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あさなさな | 作成日時:2023年11月23日 0時