104:分かってるの? ページ5
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「ぅわ!でもめちゃくちゃ沢山あるね」
「ホソク先輩、これはもうしらみつぶしに行きましょう」
「それしかなさそうだね」
ノリノリなヨンジュン先輩に、腕まくりをするホソク先輩。
「じゃあそっちはよろしく」と右側のドアの中に入ってしまった。
「じゃあ…俺たちはこっちの迷路担当か」
『そうだね』
「行こう」
『あ、シルエットの写真撮っておきたい』
「そんくらいも覚えらんないの?」
『念の為だよ…!』
写真を撮り終わり、1番近くのドアから入る。
パタンと閉まると同時に壁に押し付けられて、顔を上げると両頬に手を添えられた。
『ソク』
「泣いた?」
『……泣いてない』
「じゃあ何でこんなに不細工なの?」
『…見ないで』
押しのけようとしたら、両手を掴まれる。
「あれじゃあヨンジュン先輩だって2人が可笑しいの気づいたと思うよ」
『……』
「明らか気を遣って、ホソク先輩と向こうに行ったんじゃん」
『空気を悪くして、ごめんなさい』
「そうじゃないでしょ」
『パネル…探そうよ』
「……」
『この迷路の中にも、問題あるよ』
「別にどうだっていい」
『制限時間内に、解きたいなぁー…』
ダメ元で言ってみるけれど、ソクジンは私を見下したまま少しも逸らさない。
「俺、Aがホソク先輩に振られたんだとばかり思ってたけど…
違うの?」
『……』
「終わりって何?諦めないって何が?
ちゃんと知らないと、ちゃんと守れない」
『守るって…そんなの要らない』
「必要だよ。
学校の生徒代表で、実際人気もあって、親の権力もあって、有名な許嫁までいるんだよ」
『そんなの分かってるよ』
「分かってない」
『だから、分かってるから、頑張るんだってば』
「そうじゃない。それでもしも、もしも何かあった時。
変に噂されて針の筵になるのは、絶対にAの方だってちゃんと分かってんの?!」
『だから頑張るって言ってるんだよ!!』
思ったよりも大きな声が出て、ソクジンくんも眉間にシワを寄せたまま黙った。
『……今のままじゃ釣り合わない。好きって言った所で、自分の想いを貫き通せる程強くもない。
でも諦められない…
だから勉強とか生徒会とか、今から頑張るの。追いつけなくても近づくの。
足りないとこを補う努力するしか…ないから』
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Suzy(プロフ) - あさなさなさん» 💜💛♥ (3月7日 1時) (レス) id: f57ab1c531 (このIDを非表示/違反報告)
あさなさな(プロフ) - Suzyさん» コメントありがとうございます!ちょこっと攻めました…!笑 (3月5日 21時) (レス) @page48 id: 4d4d65fc30 (このIDを非表示/違反報告)
Suzy(プロフ) - ソクジナの攻め💛楽しみです(^_<)-☆ (3月3日 2時) (レス) id: f57ab1c531 (このIDを非表示/違反報告)
あさなさな(プロフ) - るるさん» ご期待に応えられるような更新だったでしょうか…(ドキドキ) Xは(@asana_sana16)です。鍵付・成人表記があれば大丈夫です!興味を持っていただきありがとうございます! (2月2日 21時) (レス) id: 4d4d65fc30 (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - 久しぶりの更新ありがとうございます!!めっちゃ楽しみにしてましたー!!Mくんとのこれからがどんな風になるのかドキドキします…!お話変わるのですがあさなさなさんはXやってますか?あればフォローしたいので教えて欲しいです! (1月31日 21時) (レス) id: 345da165ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あさなさな | 作成日時:2023年11月23日 0時