138:待ってて ページ39
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『ごめんなさい…』
「俺の方が、ごめん…」
ホソク先輩の胸をそっと押す。
はやく帰って勉強しないと…
良い成績を取って、生徒会を辞めさせられないように。
そこで色んな人の役に立てるように。
『あの…見てて、欲しいです。
そのままで良いなんて、言わないでください』
「…分かった」
『文化祭が終わったら、ホソク先輩たちも生徒会引退ですよね』
「うん」
『素敵な文化祭にしたいです』
「うん…」
『学校行事で協力したり、みんなと遊んだりするの…本当に楽しくて。中学の時はもっと暗かったので、だから…今があるのはホソク先輩が生徒会に引っ張ってくれたおかげです。
少し世界が広がって、大変だけどみんなと一緒なら頑張れて…』
「うん、でも…」
少し口ごもるホソク先輩に向き直る。
『待っててください。ホソク先輩も』
言ったらやけに気恥ずかしくなって、挨拶もそこそこに、ひとり図書室を出る。
一緒にいるだけで、たくさん力を貰う。
色んな事が難しくても、それだけはずっと変わらない。
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「もう明日には中間テストの個人票貰うのか。あれ、俺前回何位だっけ?」
「さあ」
「うわ、俺は毎回一位だから忘れないけどって聞こえてきそうだよ」
「言ってないだろ」
「はいはい口に出してないだけね。けどベストフォトはいただくから」
「俺らの珍写真は最下位争いに決まってんだろ」
「それでもお前に1票でも勝ってる事に意味がある」
「面倒くさい奴」
「そういえばAはどの写真に投票した?17番?17番だよね?」
『ん?え、っと…』
試験も返却までが今日全部終わって、放課後は今からベストフォトの集計で…
私、投票したっけ?どうだった?
最後の授業くらいから、頭の奥に何かが詰まっているみたいで上手く考えられない。
試験結果は不安だけれど、目の前の大きなイベントは全部終わって一安心なのに。
「どうした?A、おーい」
急に熱い唾液が喉の奥からせり上がってきて、口を押えてしゃがみ込む。
ソクジンくんが咄嗟に背中をさすってくれて、吐きそうな程の衝動は収まった。
「A?具合悪い?」
『すこし…』
「保健室」
「いや、もう放課後だし。親に迎えに来てもらった方が良いんじゃない?」
ジミンくんの提案に頭を振る。
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Suzy(プロフ) - あさなさなさん» 💜💛♥ (3月7日 1時) (レス) id: f57ab1c531 (このIDを非表示/違反報告)
あさなさな(プロフ) - Suzyさん» コメントありがとうございます!ちょこっと攻めました…!笑 (3月5日 21時) (レス) @page48 id: 4d4d65fc30 (このIDを非表示/違反報告)
Suzy(プロフ) - ソクジナの攻め💛楽しみです(^_<)-☆ (3月3日 2時) (レス) id: f57ab1c531 (このIDを非表示/違反報告)
あさなさな(プロフ) - るるさん» ご期待に応えられるような更新だったでしょうか…(ドキドキ) Xは(@asana_sana16)です。鍵付・成人表記があれば大丈夫です!興味を持っていただきありがとうございます! (2月2日 21時) (レス) id: 4d4d65fc30 (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - 久しぶりの更新ありがとうございます!!めっちゃ楽しみにしてましたー!!Mくんとのこれからがどんな風になるのかドキドキします…!お話変わるのですがあさなさなさんはXやってますか?あればフォローしたいので教えて欲しいです! (1月31日 21時) (レス) id: 345da165ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あさなさな | 作成日時:2023年11月23日 0時