131:体育祭 ページ32
.
体育祭の予行練習後にも私が保健室で寝ている間、生徒会では振り返りと反省会をしたようだった。
翌日ジミンくんとヨンジュン先輩にノートを見せてもらい、更に改善案を練った。
ひとつ大きな改善点として、私がずっとグラウンド上に出ずっぱりだから、日傘を差して待機する事になった。
目立ってとても恥ずかしいし、二人は裏方でも力仕事が多くて動きっぱなしだから、一度は遠慮した。
けれど既に先生にも了承をもらった後で、むしろ日傘を差してくれと言われてしまった。
そして何故か生徒会準備室に置いてあったらしい、黒無地のシンプルな日傘を渡された。
＿＿
それが作る小さな影の中で今、私は絶賛体育祭に臨んでいる。
トランシーバーからジジっと音がする。
「A元気〜？水分補給できてる？」
『うん、したよ』
「オッケー。ねえ見て、3年生のテント。めっちゃ寝てる」
『ほんとだ。疲れてるんだね』
「本部テントのホソク会長は手ぇ叩いて笑ってるけど。バイタリティ溢れてるよね。憧れるわ」
見るとキラキラした笑顔で200ｍ走にリアクションしてる。
ホソク先輩可愛い。なんて言ってるんだろう。
「そういえば最近ホソク会長が婚約者先輩と一緒にいるトコ見な、うわわっ！ヨンジュン先輩違いますってば、コミュニケー」
小さくヨンジュン先輩の声が聞こえて、ブツっと切れた。
ジミンくんはいつでも賑やかだな。少し笑って、顎を体操座りしてる膝に乗せる。
競技が始まってしまうと一瞬、用具チームは手が空く。
その度にジミンくんが電話をかけてくるみたいに、トランシーバーを繋げる。
体調を気遣ってくれているというのは伝わってくるけれど、それ以外の雑談の方が長い。
それもまた、私が暇だろうなって配慮なのかもしれないけど。
そろそろ全組が走り終わるから、係の先輩と一緒に誘導しないといけない。
日傘を畳んで、退場と入場の合図をする。
次は障害物だから、用具係総出で急いでコースを作らないと。
入場口付近に設置する網を、重しで固定していく。
「Aお疲れ、ナイスな日傘だね。良い感じに目立ってるよ」
『やめて』
入場待機列のソクジンくんが、わざわざ置いてきた日傘を茶化してくる。
『じゃあね、障害物頑張ってね』
「パンを一発でくわえるから見ててよ」
『見えるよ』
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 273人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Suzy(プロフ) - あさなさなさん» 💜💛♥ (3月7日 1時) (
レス) id: f57ab1c531 (このIDを非表示/違反報告)
あさなさな(プロフ) - Suzyさん» コメントありがとうございます！ちょこっと攻めました…！笑 (3月5日 21時) (レス) @page48 id: 4d4d65fc30 (このIDを非表示/違反報告)
Suzy(プロフ) - ソクジナの攻め💛楽しみです(^_<)-☆ (3月3日 2時) (レス) id: f57ab1c531 (このIDを非表示/違反報告)
あさなさな(プロフ) - るるさん» ご期待に応えられるような更新だったでしょうか…(ドキドキ) Xは(@asana_sana16)です。鍵付・成人表記があれば大丈夫です！興味を持っていただきありがとうございます！ (2月2日 21時) (レス) id: 4d4d65fc30 (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - 久しぶりの更新ありがとうございます！！めっちゃ楽しみにしてましたー！！Mくんとのこれからがどんな風になるのかドキドキします…！お話変わるのですがあさなさなさんはXやってますか？あればフォローしたいので教えて欲しいです！ (1月31日 21時) (レス) id: 345da165ee (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あさなさな | 作成日時：2023年11月23日 0時
