ねぇ、誰か私を見て。2

第52話 ページ7

ジェイドside

あの人は、不思議だ

あの人といると、いつもの僕ではなくなってしまう

今日だって授業ギリギリまで話す
予定ではなかった

フロイドが話しかけて、僕は後ろから
話を聞く予定だった

だが、フロイドがAさんのお弁当に目をつけて食べさせて貰うという行動は予定外だった

僕は、何を思ったのか自分もと彼に言ってしまった

彼は最初は嫌がっていましたが、フロイドが監督生さんの方に行ってしまったため僕と2人きりになってしまった

彼は、フロイドが行った先を見ていた

いや、正確にはフロイドと話している監督生さんを見ていた

彼の瞳には彼女がどう映っているのだろう

好意を持っている瞳ではないことは確かだ

そう、好意を持っている瞳ではない
何でしょう

彼の瞳は悲しげな目をしていた

そう、僕は感じた

僕が呼びかけているのに気づき、
先程の催促をしたら「何言ってんの、この人」という目をされました

理不尽です

ようやく諦めてくれたのか、僕に卵焼きをくれようとした時

「あーん」と言ったのだ

僕はその場で固まってしまった

そりゃそうだ、彼まで「あーん」と言ったからだ

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