オカンとは…？【菅原孝支】

女子力？ ページ8

・
休み時間、俺はクラスメイトの真田と話していた。

「岬って可愛いよな〜！」

確かに可愛いけど、お前はどうせ外見を見て言ってるんだろ？
岬の可愛さを知ってるのは、俺だけでいい。

「いや、どこが？…あんなの、女子って言っちゃダメだろ」

ちらっと岬をみると、怒ったように頬を膨らませていた。
拗ねてる顔も可愛い…なんて、らしくもないことを思ってみたり。

「…私だって、可愛いって言われたいもん」

岬は聞こえてないと思ってるみたいだけど、俺の耳にはちゃんと聞こえた。
…じゃあ、俺がいってやろうじゃないか。

「俺ちょっと席外すわ」

そう言って席を立つと、俺は岬の近くに行った。
そして、岬の耳元で

「…A、拗ねた顔も可愛いよ」

と呟いた。
何故か、こういう時だけは素直に言えるのだ。
すると、岬は顔を真っ赤にして

「ばっ、何言ってるの！？からかわないでよ！」

と俺の背中に蹴りをいれてきた。え、俺何かしたっけ？

「ちょっ、痛っ！！何すんだよ〜。…俺、本気で言ったんだけど？」

すると、岬はさらに顔を真っ赤にし

「菅原の馬鹿っ！」

と走り去っていった。
今のが照れ隠しだったのかと思うと、可愛すぎて、ついついにやけてしまう。

「菅原、何にやけてるんだ？」

いつの間にか、大地が目の前にいた。
にやけてる理由なんて、言える訳ない。

「なーんも！」

俺は、にやけを必死にこらえて大地と話した。

岬が可愛すぎてにやけてた、なんて誰にも言えない。

オカン？→←女子力？

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す