オカンとは…？【菅原孝支】

オカン？ ページ25

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「A、大丈夫？」


なんで、なんで貴方が此処にいるの？
こっちは貴方の帰り道ではないのに…。

「菅原…？」



「な、なんだよお前！！急に現れやがって、ヒーローのつもりか！？」

「ヒーローっていうより、姫君を助けに来た王子のつもりかな？…それより、俺の大切な人に何してくれてんの？」

いつもより低い声、険しい表情の菅原に少し驚く。
でも、そんな菅原もかっこいいなんて思ってしまう私は、菅原のことが本当に好きなんだな。


「お前には関係ないだろ！！」

「言ったでしょ？大切な人だって」

不良は、そう言った菅原の頬を間髪をいれずに殴った。

「っ、何してくれて」

「ストップ、俺は大丈夫だから」

殴りかかろうとした私を、菅原が制止する。

「これで満足した？」

そう言って、不良の方を睨む姿は、いつもの温厚な菅原からは想像できないほど怒っていた。

「っ、覚えてろよ！！」

雑魚キャラが言う台詞だよ、それ。
不良は、菅原の睨みに耐えられなかったらしく逃げていった。


…今更だけど、菅原が言った大切な人って、私のことだよね？
そうだとしたら…


「A、大丈夫か…？」

「あ、うん」

差し出された手を掴み、立ち上がる。

「あ、のさ、大切な人…って？」

「えっ！いや、その。…い、言わなきゃダメ？」

コテンと首を傾げ、困り顔をする菅原。これを学校の女子が見たら喜ぶだろうな…。

「言わなきゃダメってことはないけど…。気になるんだもん」

そう言うと、菅原は少し考えてから

「じゃあ、言うよ。でも、その前に場所変えるべ。大事なことだから、こんな所では言いたくないし」

と言った。
そして、

「あとAの怪我の手当てもしなきゃだしな！」

と笑う。
意地悪そうな笑みではなくて、優しくて安心させるような温かい、あの笑顔で。

「あ、それなら私の家でいいかな？ここから近いし。それに、お礼もしたいし…」

私がそう言うと、菅原は少し迷ってから頷いた。
それは、私の家に行くって解釈して良いんだよね？

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