オカンとは…？【菅原孝支】

女子力？ ページ12

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「はぁ…」

口から漏れたため息に、いつか聞いた「ため息をつくと幸せが逃げる」という言葉を思い出す。

「そんなに落ち込むなよ！男だろ〜」

大地に背中をバシバシ叩かれる。
何故、俺が落ち込んでいるかって？


それは、遡ること数時間前________

「A！」

数メートル先に、岬を見つけた。
事故チューの件から、俺は岬のことを名前で呼ぶようになった。

「ん？菅原、どうしたの？」

Aは、相変わらず苗字呼びだが…。

「ずっと前から、言いたかったんだけど」

俺の真剣な表情を見て、大事な話だと思ったのかAも真剣な表情になる。



やっと、気持ちを伝える勇気がでたんだ。


「あ、あのさ…。俺、Aのことが好きなんだ！！」

勇気を振り絞り、Aに気持ちを伝える。
怖くて思わず目を瞑ってしまった。

「は？」

気の抜けた声がして、恐る恐る目を開けると、
意味がわからないという顔をしているAの顔が目の前に。

「だからさ、付き合ってくれませんか？」

意味が伝わらなかったのかと思い、もう一度、今度は付き合って欲しいと伝える。

「からかわないでよね！！」

顔をほんのり赤く染め、恥じらう…のではなく、回し蹴りをされた。
付き合ってくれませんか？と聞いて、回し蹴りをされたのは多分俺くらいしかいないと思う。

「ちょ、からかってなんかないって！！」

「知らない！」

必死に弁解するも、Aは聞く耳を持たずに去って行ってしまった。




________________そして、現在に至る。


「俺、本気で告ったのに…」

「もう一回、告白してみろよ！そしたら、岬も本気だってわかるんじゃないか？」

大地はサラッと言ったけど、俺はそんな何回も告白できるような奴ではない。


ああ、俺の気持ちがAに伝わる日は来るのだろうか？




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