ON？ ページ30
貴女side
海に着くと景色がよく
月に照らされた海が反射していた
光に連れてこられた海は
誰も来なさそうな所で
小さな小屋があるぐらいだった
「ここ、景色いいね…
みんなも起きてたら良かったのに」
浜辺に座り込むも
合わせるかのように
隣に光が胡座をかいて座った
光「 俺は…、
２人きりで良かったよ」
光は真っ直ぐ前を向いたまま
私の方は見ないようにしていた
なんなの…私の気持ちも知らないで
「や、辞めてよ…そういうの
私のこと思い出してないんでしょ？！」
光「 まだ指輪、持ってる？ 」
「な、何言ってるの…」
指輪は実家の引き出しに入れっぱなしで
光との思い出はそこに閉じ込めていた
光「 俺、萌とかなり前に別れてるんだ
別れる時に何でか指輪渡されて
携帯と指輪で全部リンクして
思い出したんだ…
ドラマみたいだけど…」
光はネックレスを外すと
そのチェーンにかかってあるのは
お揃いの指輪…
なにそれ…
指輪が指から無くなってたのって
萌ちゃんが理由だったんだ
光が意図的に外したんじゃないって
分かって安心してる自分がいる
光「都合いいって分かってる
けど、俺…
やっぱAが好きなんだ… 」
ずるい、ずるい
涼介のこと好きなのに
何で光の気持ちを聞いて
こんなに辛くなるのはなんで？
こんなに悲しいのはなんで？
「 今は答えが出せない
光が記憶がない間支えてくれていたのは
涼介だから…」
光「だよな…
ごめん、変なこと言って…」
私たちは何をすることなく
またバイクに乗り、コテージへと戻った
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作者名：葉月 | 作成日時：2017年4月30日 23時
