魅力発表会2 ページ38
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「やっぱり水色の衣装羨ましいなー、僕そっちが良かった」
寒い寒い言ってても体が温まるわけではないので、私は話題を変えた。リッキーが呆れたように返事をする。
「Aヒョンそれずっと言うよね」
「だって僕クールトーンだからピンクより水色の方が似合うんだ」
「それもずっと言ってる」
駄々をこねる私と軽く遇らうリッキーは、どちらが年上か分からない。
ハンビンは「Aはどんな色も似合うと思うよ」と笑いながら言う。その言葉前にも聞いたな。
「やっぱりパーソナルカラーって大事だと思うんだ。リッキーもジャンハオもウォームトーンだから何とも思わないんだよ」
「じゃあ俺の着てみる？」
「ハンビンの着ても形一緒だからなぁ。僕本当はリッキーが着てるような学ランが良かったの」
私が瞬時に断ると、ハンビンは眉を下げて幾分か悲しそうな顔をしてしまった。それを見て可笑しそうに声を上げるジャンハオは無視し、ちょうど通りかかった人物に声をかけた。
「ジウンヒョン！ちょっとこっち来て」
「んー？」
「ジウンヒョンの上着貸してほしい！」
呼ばれたジウンは唐突なお願いにも嫌がらず、にこにこと親しみやすい笑顔でジャケットを貸してくれた。
初めのうちはクールな雰囲気に近寄りがたさを感じていたが、シグナルソングに向けた練習でそのイメージは払拭された。意外と人懐こく、時々よく分からないことを言って周りを困惑させている天然な一面があり、年上だが彼には可愛らしさを見出している。
私は自分のジャケットを脱いでハンビンに預けると、ジウンが差し出してくれた上着を受け取る。
念願の水色で、念願の学ランだ。心を弾ませながら袖に腕を通し、羽織終わると心が弾んでその場で一周ターンもしてしまう。
「ほら！水色のが似合うでしょ？」
「...フッ」
「Aやっぱりジウンヒョンのだとブカブカだね」
「お兄ちゃんのお下がり着させられた子みたいだよ」
自分的には似合っていると思ったが、リッキー、ハンビン、ジャンハオの反応は思っていたものと違い思わず頬を膨らませた。
確かに肩は浮いている気がするし、袖も中に厚めのセーターが着られるくらいの余裕がある。悔しい。
「僕ジウンヒョンと身長そこまで変わんないのに...」
「Aとヒョンだと厚みが違うから」
確かにジウンは男の人の中でも体格がしっかりしている。私は筋肉が無いわけではないが隣に並ぶと薄っぺらさが目立つ。
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作者名：すいみ | 作成日時：2023年3月12日 3時
