Please (not) Pick Me (ページ25)

今日:34 hit、昨日:40 hit、合計:166,606 hit

シグナルソング練習17 ページ25

朝の光を感じ、自然と意識が上昇していくのが分かった。

昨日の記憶を徐々に取り戻し目を開けると、隣の2段ベットでまだ寝ているらしいユジンの姿が見えた。寝る時に被っていたであろう布団が床に落ちている。

布団をかけ直してあげるために起き上がると、彼の寝顔が目に入る。大人びて見える彼だが、意外と寝相が悪い。しかもいびきもかいているのが年相応に見えて少し笑ってしまった。

時計を見るとまだ朝の7時だった。朝食まで時間があるのでシャワーを浴びることにした。ユジンを起こさないように静かに準備をし、シャワールームに入った。

スウェットを脱いだところで、ふと浴室の鏡に映った自分の姿が目に入る。
合宿前に短く切り揃えた髪は、ずっと(特に理由はないが)ロングヘアを貫いていた私にとっては数週間経っても見慣れない。
まじまじ鏡に近付いて自分の顔を見ると、目の下のクマがここに来る前より悪化している気がする。それに顔が全体的に少しやつれたかもしれない。

この合宿に生気を吸い取られている気がする。今日からご飯をしっかり食べようと心に誓い、シャワーのハンドルを捻った。

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「あー、ヒョン。おはよー」

シャワールームから出ると、すでに目を覚ましていたユジンから声をかけられた。
まだ寝ているものだと思っていたから何も考えずに浴室から出てしまったため、慌てて身支度を確認する。ちゃんとサポーターも着けてるし、体型が分かりにくい服も着ている。大丈夫だ。

「ヒョンどうしたの？」

「なんでもないよ、ユジナおはよう。まだ寝ててもいいんじゃない？」

「もう目が覚めちゃったからいいや、朝ごはんまで起きとく」

そう言いつつもベットから起き上がる気配はなく、布団の中でゴロゴロしているのが面白くてまた笑ってしまった。こう見ると本当にただの子供みたいだ。

「...なに笑ってるの」

「だってユジン全然起きようとしてないじゃん。早く部屋戻りな」

「嫌だ、ここからAヒョンと一緒に朝ご飯食べに行く」

昨日の印象とはまるで違い、今日のユジンは駄々っ子らしい。おかしくてけらけら笑っているとユジンは「なに！」と怒った素振りを見せてくるが、さっぱり怖くない。むしろ益々子供に見えてくる。

笑いが止まらないでいると、痺れを切らしたユジンが自分の使っていた枕を投げてきて、私も負けじと投げ返す。そうして朝から謎の枕投げ大会が始まったのだった。