約束。 (ページ9)

今日:4 hit、昨日:0 hit、合計:3,275 hit

9 手紙ページ9

また病院生活が始まった。
抗がん剤の治療で、毎日が地獄。

いつ死ぬかわからない恐怖から、とっさに手紙を書いた。

両親と、優。貴久は特別。

『お父さん、お母さんへ

産んでくれてありがとう。幸せだったよ。
親孝行したかったなぁ…。なんか、ごめんね。
私の分まで、いっぱい笑ってね！！』

『優へ

お父さんの言うことをよく聞くこと。あと、幸せになること。いい？お母さんの分まで幸せになるんだよ？お母さん、お空で見てるからね？悪いことしたら怒りにいくぞ～！(笑)』

貴久には沢山書いた。

『貴久へ

ごめんね。本当にごめん。こんな私と結婚してくれて、子供もできて、幸せだな～って思ってたらコレだからね(笑)
でもよかった。貴久と結婚してよかった。
こんなにいい人いないよ。天国に言ったら、みんなに自慢しないと！(笑)
守ってほしいことあるんだけど、いいかな？

優のこと幸せにしてあげてね！
あと、貴久も幸せになるんだよ！？

天国で見てるから。
ありがとう。貴久。

大好きだよ…』

最後の文字を書くとき、目から大粒の涙が流れた。

「ありがとう…。」

手紙は看護士さんに渡した。私が死んだら渡してくださいってね(笑)

これでもう、いいかな。