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4 大切なもの ページ4
貴久side
病院に行くと、結衣がガンだと伝えられた。
頭が真っ白になって、なにもわからなかった。
ただ…先生の話を聞いていた。
ﾄﾝﾄﾝ
病室に入ると、寝ている結衣がいた。
ベットの横の椅子に座って結衣の手を握ると、結衣の手は震えていた。
「起きてるの…？」
そう問いかけると、結衣は目を開けた。
そして、俺にこう言った。
「赤ちゃんもいるの。でもね…。産んじゃったら、私、貴久とさよならしなきゃだ。(笑)」
涙を流しながら、笑っていた。
「え、どういう…」
「赤ちゃん産んだらね、私の体力が無くなるでしょ？そしたら、ガンは大きくなるの。死ぬかもしれないの。私…」
俺はただ、結衣を見つめることしかできなかった。
赤ちゃんか、結衣。
なんで、俺らがこんなつらい思いしなきゃいけねーんだよ。
幸せだったのに…
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作者名：ゆいっぺ | 作成日時：2014年8月30日 23時
