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『結局、一般人の私には───っ･･････！』
そこで、咄嗟に言葉を止めた。
今、何を言おうとした？
慌てて口を抑え、目の前の彼に目を向ける。
「Aちゃん、それは───」
それは、まるで"別れたい"と言っているようではないか。
もちろん、そんな事は微塵も思っていない。
けれど、彼に今の言葉をそう取られてもおかしくはない。
「───それは、勘違いや」
薄明かりに照らされた彼の表情は、真顔と言うにはどこか感情的で、あまりに優しい空気纏っていた。
『え･･････？』
「確かに、特殊なお仕事してるから、そう見える時もあるんやろうけど、俺は全然普通の人間やで？」
話しながら時折り見えた彼の笑窪に、どうしてか泣きたくなる。
「好きな料理なに？って聞かれたら、"唐揚げ"とか"卵かけご飯"とか答えてまうし、Tシャツも襟元ヨレヨレになるまで着てまうし、平気でマネージャーと牛丼屋にも行くし」
そして、突然始まったエピソード大会に、私はポカンと口を開けて呆けてしまった。
「せやから、Aちゃんが思ってるより、ずっとずっと普通の人間やねん」
少し湿った彼の手のひらが、優しく私の頬を包む。
「ホンマはきっと、付き合う時間の中でお互いの価値観を擦り合わせていくんやろうけど、俺が最初から結婚しようって言ってもうたから、そんな時間なかってんな。ごめん」
そう言って苦笑する彼に、私はすかさず首を横に振った。
「それに、俺やってAちゃんから沢山のものもらってんねんで？むしろ、俺の方が返せてへんかもや」
『･･････そうでしょうか？』
「そうやで！それに、このネックレスもAちゃんに着けてほしいと思ったから渡してんねん。お返しが欲しいとかとちゃうよ」
わかった？と、まるで子供に言うみたいに諭してきた彼に、私はクスリと笑って頷く。
『そうですね』
二人の時間は、まだ始まったばかりなのだろう。
これからも、長い人生の中で少しずつお互いの事を知って、理解し合っていくものなのかもしれない。
『まだ、お付き合いの段階ですよね、私達』
「うーん、いや、うん。まあ、夫婦ではあるんやけどね」
『そっか、お付き合いか。なんか、少しわかった気がします』
「もう"夫婦"なんやけどね。何？わざとなん？」
段々と彼の口が尖っていく様が面白くて、ついつい笑ってしまう。
そして彼もまた、こちらにつられるようにフッと噴き出して笑い出す。
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めめこ(プロフ) - 楓さん» そう言って頂けると嬉しいです！読んで頂きありがとうございました！ (2022年11月26日 19時) (
レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
楓(プロフ) - めめこさんのまるちゃんが大好きです！お誕生日おめでとうございました^ ^ (2022年11月26日 10時) (レス) @page35 id: 2ce83629e3 (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - まいさん» 楽しんでもらえたなら良かったです！また読んで頂きありがとうございます！ (2021年3月15日 18時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - バレンタインから1ヶ月楽しみに待ってました！ホワイトデーも｢キュン｣をありがとうございます。 (2021年3月15日 3時) (レス) id: 289a5ec9d0 (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - みーこさん» ありがとうございます！これから少しずつお話増やしますので、また読みにきてください！ (2021年3月14日 20時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めめこ | 作成日時：2021年3月14日 15時
