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『良い写真撮れました？』
「ぼちぼちやな」
すると彼はニヤニヤとしながら、スマホをこちらに向けた。
次いで「カシャッ」とシャッター音が鳴り、すぐに写真を撮られているのだと気付く。
『わ！ちょっと、撮らないでくださいよ！絶対変な顔してる･･･』
「ええ写真撮れたわ〜」
『もう･･･』
本当はもう少し怒ってやろうと思ったのだが、フフフと満足そうに笑う彼が可愛くて、これ以上何も言えなくなってしまった。
すると、橋の中央まで戻ってきた彼の表情が、少しだけ強張ったように見えた。
そして、改まったようにこちらへ向き直ると、そっと口を開く。
「実は、まだもう一つお返しが残ってんねん」
『え？』
先程の懐石料理だけでも十分だというのに、いったいこれ以上何があるというのか。
驚きで状況がいまいち飲み込めていない中、彼はいそいそとコートの内ポケットへ手を入れると、そこから細長い小箱を取り出した。
そして目の前でその蓋が開けられると、そこには華奢なデザインのネックレスが収められていた。
しずく型の飾りの中央部分には、オレンジ色に細く白い縞模様が入った天然石があしらわれている。
きっと、ここで大層喜ぶのが可愛気のある女というものなのだろう。
だが、今の私は素直に喜べずにいた。
「Aちゃん？あ、もしかして、あんま好みやなかった？」
そして彼も、私の反応がない事に不安になったのだろう。
先程までの表情とは一変し、眉尻を下げてこちらの様子を伺っていた。
『違うんです。そうじゃなくて･･･』
「うん」
『いつも私は、もらってばかりだなって、思って･･･』
指輪やアクセサリーも、優しい温もりや微笑みも、彼がいかに私を大切にしてくれているかがわかる。
けれどふと、思う事があるのだ。
私は、ちゃんと彼に同じだけのものを返せているだろうかと。
『たまに、不安になるんです。私は、さっきみたいなお店も知らないし、何か値の張る物を贈れる訳でもないし───』
「Aちゃん･･････」
『たまに、隆平さんを遠くに感じてしまう時があるんです。やっぱり、特別な人なんだなって』
心の底に沈めて蓋をしておいた黒い物が、容赦なく溢れ出てくる。
そんな事、全てわかった上でこの人と結婚をしたはずなのに、今更こんな事を言うなんてズル過ぎる。
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めめこ(プロフ) - 楓さん» そう言って頂けると嬉しいです！読んで頂きありがとうございました！ (2022年11月26日 19時) (
レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
楓(プロフ) - めめこさんのまるちゃんが大好きです！お誕生日おめでとうございました^ ^ (2022年11月26日 10時) (レス) @page35 id: 2ce83629e3 (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - まいさん» 楽しんでもらえたなら良かったです！また読んで頂きありがとうございます！ (2021年3月15日 18時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - バレンタインから1ヶ月楽しみに待ってました！ホワイトデーも｢キュン｣をありがとうございます。 (2021年3月15日 3時) (レス) id: 289a5ec9d0 (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - みーこさん» ありがとうございます！これから少しずつお話増やしますので、また読みにきてください！ (2021年3月14日 20時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めめこ | 作成日時：2021年3月14日 15時
