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鼻から抜けた甘ったるいその声に、俺の理性が溶けていく。
彼女の脚を跨いで片膝をベンチに乗り上げると、更に深い口づけを落とした。
時折漏れる彼女の吐息すらも逃したくなくて、全てを飲み込んでしまいたくなる。
誰も居ない深夜の公園には、雨音と二人のリップ音だけが響き渡り、そして混ざり合う吐息を残して互いの唇が離れていった。
『はぁ･･･はぁ･･･───ここ外っ･･･！』
「最初に誘ってきたんはAの方やで？」
『･･････誘った訳じゃありません』
ちゃんと傘で隠したし。そう最後に付け足し、俺から顔を背けた彼女の耳は、真っ赤になって熱を帯びていた。
本当に、昔から素直じゃない。
けれど、間違いなく愛おしい彼女の一部分。
狂おしいくらいに溢れ出すこの気持ちに、自分でも思わず笑ってしまう。
俺は口元に笑みを携えたまま、彼女の顎に手を伸ばした。
そして指先で顎をすくいこちらを向かせると、もう一度触れるだけのキスをする。
「───俺だって傘で隠してんけど？」
コツンと額を合わせ挑発的に彼女を見やれば、もう何も言い返してくる事はなく、静かに目を伏せていた。
可愛ええ───。
俺はそっと彼女の左手を取ると、ズボンの後ろポケットからリングを取り出す。
そして、もう一度愛の誓いを示すように、彼女の細い指にリングを通していった。
「Aちゃん、帰ろうか？」
帰ってきて。僕のところに。
『はい───』
彼女から返された短い返事に、俺はもう一度深い笑みを浮かべた。
そして、彼女の頭をくしゃりと撫でる。
正直、もう二度とこんな喧嘩はしたくない。
彼女が居ない時間は不安だらけで、もどかしくて、まともに息も吸えないくらい、生きた心地がしない。
けれど、今日という日が存在して良かったとも思う。
でなければ、彼女が俺に吐き出してくれた気持ちを知る事など、一生できなかっただろう。
また一つ君の心を知って、更に愛おしさが増した。
きっとこれからも、それを繰り返していくのだと思う。
そして、それがいつか、二人なりの夫婦の形になっていく───。
『───隆平さん』
「ん？」
『ファスナー開いたままです』
「え？おいおいマジか。やってもうたな」
こうしてずっと、アホな事でも言い合って、笑っていられるように。
君をずっと、笑顔にできるように───。
"僕が君を守るから"
fin…
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めめこ(プロフ) - 楓さん» そう言って頂けると嬉しいです！読んで頂きありがとうございました！ (2022年11月26日 19時) (
レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
楓(プロフ) - めめこさんのまるちゃんが大好きです！お誕生日おめでとうございました^ ^ (2022年11月26日 10時) (レス) @page35 id: 2ce83629e3 (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - まいさん» 楽しんでもらえたなら良かったです！また読んで頂きありがとうございます！ (2021年3月15日 18時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - バレンタインから1ヶ月楽しみに待ってました！ホワイトデーも｢キュン｣をありがとうございます。 (2021年3月15日 3時) (レス) id: 289a5ec9d0 (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - みーこさん» ありがとうございます！これから少しずつお話増やしますので、また読みにきてください！ (2021年3月14日 20時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めめこ | 作成日時：2021年3月14日 15時
