Special day(Happy Christmas) ページ17
Your side
『さむ･･･』
12月も終わりが近づく今日この頃。
寒いのは当然の事とわかっていても、ついそんな声が漏れてしまった。
はぁ〜、と吐いた息は目の前を真っ白にして、すぐに冷たい外気と混ざり合って消えていく。
小雨が降る東京の空を傘越しにちらりと見上げるが、残念ながら、ホワイトクリスマスになる気配はなさそうだ。
そして私はマフラーに顔をうずめると、手に持っていたコンビニの袋の中を覗いた。
人間の思考とは不思議なもので、この真冬の寒い時期であろうとアイスを食べたくなる事があるのだ。
なんなら、真夏に食べるアイスより、真冬に温い室内で食べるアイスの方が美味しく感じる。
そうしてじっくり吟味して選んだのは、濃厚そうなバニラの棒アイスだった。
私はひとり満悦しながら、アイスを楽しみに足早に帰路に着いていた。
『隆平さんもそろそろ帰ってくるかな───』
クリスマスイブの今日も、あと少しで日付をまたごうとしている。
そして私の旦那さんはといえば、夕方からライブ公演を行い、そのすぐ後には歌番組の生放送に出演するという、ハードスケジュールを先程終えたところだ。
正直、クリスマスや正月といった特別な日を一緒に過ごした記憶はほぼない。
むしろ、一緒に仕事をしていた頃から、常にそういう部分を見てきたせいか、それが普通になってしまっている。
とは言え、クリスマスに仲睦まじくデートをしているカップルを横目で追ってしまうのも事実で、それが羨ましいのかと問われれば、私にはその判断ができなかった。
気付かないふりをしているだけで、もしかして本当は寂しいのかな･･････？
そんな事をぼんやり考えながら歩いていると、隣を通り過ぎていった黒のバンが、急ブレーキをかけて少し前に停車した。
危ないなぁ、と内心でぼやきつつ、スモークが貼られた怪しい雰囲気の車に、私はデジャヴを感じていた。
確か、まだ彼と結婚する前に、日本橋の通りで似たような事があった気がする。
映画のイベント終わりの彼に、突然車内へ引きずり込まれて、そのまますき焼きを食べに拉致されたのだ。
その懐かしい記憶にひとりクスリと笑うと、バンの後部座席のドアが開くのが見えた。
そして、半ば雪崩落ちてくるような勢いで人が降りてくると、物凄い勢いでこちらへ駆けてくるではないか。
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めめこ(プロフ) - 楓さん» そう言って頂けると嬉しいです！読んで頂きありがとうございました！ (2022年11月26日 19時) (
レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
楓(プロフ) - めめこさんのまるちゃんが大好きです！お誕生日おめでとうございました^ ^ (2022年11月26日 10時) (レス) @page35 id: 2ce83629e3 (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - まいさん» 楽しんでもらえたなら良かったです！また読んで頂きありがとうございます！ (2021年3月15日 18時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - バレンタインから1ヶ月楽しみに待ってました！ホワイトデーも｢キュン｣をありがとうございます。 (2021年3月15日 3時) (レス) id: 289a5ec9d0 (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - みーこさん» ありがとうございます！これから少しずつお話増やしますので、また読みにきてください！ (2021年3月14日 20時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めめこ | 作成日時：2021年3月14日 15時
