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そして、ゆっくりと箱のフタが開けられた。
「───あ」
開けた瞬間、甘い香りがふわりとこの空間を包む。
色とりどりの鮮やかなフルーツが贅沢に載せられ、ぽってりとしたホイップクリームがその綺麗な曲線を縁取っている。
「ケーキや･･･」
『あ、ちゃんとロウソクも貰ってきましたよ』
そう言って少し自慢げな表情を浮かべ、彼女が箱からロウソクを取り出す。
「もう、Aちゃん･･･なんでロウソク3本だけなん」
『だって、隆平さんの歳の数だけロウソクもらったら、ケーキが火だるまになっちゃいますから』
「ふっ･･･せやなぁ」
それから彼女は、あの時のようにロウソクをバランスよくケーキに刺していった。
すると、彼女が何かに気が付いたように声をあげる。
『･･･あ！すみません、火を点ける物がありませんでした･･････フフ、これじゃあの時と同じですね』
「っ･･･！」
その言葉に、俺の胸がたまらなく熱くなって、それが伝染したかのように視界が霞んでいく。
覚えて、くれていたんだ───。
『そうだ！直接コンロで火つけますか』
「んあー、ええよええよ！このままで！ロウソク直火は止めて！」
突拍子もない彼女の発案に苦笑を滲ませながら、俺は急いで彼女の手を掴んで止めさせる。
そして、そのまま彼女を自分の方へ引き寄せた。
「───このままがいい」
強く抱きしめれば、俺の腕の中で彼女が小さく頷いた。
『･･････隆平さん？』
すると、彼女のか細い声が肩口に響いた。
「ん？」
自分でも驚くほど、優しい声が出る。
愛しい人から名前を呼ばれ、そちらへ目をやると、彼女の綺麗な瞳が俺を真っ直ぐととらえていた。
『───お誕生日おめでとうございます』
「ありがとう───」
ありがとう。
俺と結ばれてくれて。
また新しい1年の最初を、こうして俺とおってくれて。
「Aちゃん」
『はい』
「愛してんで･･･」
僅かに潤むその瞳に吸い込まれるように、俺は彼女に口付けを落とした。
この胸の高鳴りも
火照る頬の熱さも
彼女の声も表情も
彼女の全てを
この先もずっと
隣で守っていこう───
fin...
Special day(Happy Christmas)→←.
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めめこ(プロフ) - 楓さん» そう言って頂けると嬉しいです！読んで頂きありがとうございました！ (2022年11月26日 19時) (
レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
楓(プロフ) - めめこさんのまるちゃんが大好きです！お誕生日おめでとうございました^ ^ (2022年11月26日 10時) (レス) @page35 id: 2ce83629e3 (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - まいさん» 楽しんでもらえたなら良かったです！また読んで頂きありがとうございます！ (2021年3月15日 18時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - バレンタインから1ヶ月楽しみに待ってました！ホワイトデーも｢キュン｣をありがとうございます。 (2021年3月15日 3時) (レス) id: 289a5ec9d0 (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - みーこさん» ありがとうございます！これから少しずつお話増やしますので、また読みにきてください！ (2021年3月14日 20時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めめこ | 作成日時：2021年3月14日 15時
