Happy White Day ページ1
Your side
京都に呼び出された。
放課後の教室とか体育館裏とか、そんなご近所ではなく、"京都"に呼び出されたのだ。
幸い今日は日曜という事もあり、休日最終日に観光地へ向かう人は少ないせいか、新幹線のチケットを取る事はできた。
しかし、私を呼び付けた当の本人とは、仕事の都合でいまだに別行動である。
なんでも、月曜まで大阪で仕事が入っているそうで、土曜の朝番組後から、そのまま月曜まで滞在するのだとか。
確かに、片道2時間半もかけて何度も行き来するくらいなら、いっそ大阪近辺に滞在してしまった方が楽だろう。
『───ちょっと早かったかな』
そして私は、八坂神社の西楼門の前で独り、彼が現れるのを待っていた。
彼との約束の時間は17時。
彼の実家に少し寄って、この近辺を時間までうろついていた訳だが、それでも17時まではあと10分程あった。
春の気配を感じる京都の夕暮れ時は、なんとも趣きがある。
振り返れば、石階段の先には鮮やかな朱い柱の立派な楼門が佇み、白い壁は夕日に照らされオレンジ色に染まっていた。
境内の木々の葉が、まだ少し冷たい風に吹かれ、ザワザワと不気味に揺れる。
美しくも妖しいその雰囲気に、なんだか心がソワソワと落ち着かなくなった。
無意識に手元の手提げ袋を強く握り締めると、ガサガサと紙の素材が音を鳴らす。
「───おねーえさん。ひとり？」
すると、背後からトントンと軽く肩を叩かれた。
『───今、独りじゃなくなりました』
その声ですぐにわかる。
振り返れば、優しく目元を細める彼が、そこに立っていた。
前の仕事で髪の毛をセットしてもらったのか、最近明るく染めたばかりの髪は、ふわふわのパーマに仕上がっていた。
「お待たせ」
『お疲れさまです。それにしても、随分と急な呼び出しですね』
労いの言葉の後、私はすぐに皮肉の言葉をかけた。
すると彼は、頬をポリポリと掻いて苦笑を滲ませる。
「ごめんな、もし仕事が押してもうたらアカンかったからさ」
そう理由を述べる彼に、私は少し申し訳ない気持ちになった。
別に怒っている訳ではないし、彼なりに私の事を考えてくれたのだというのは伝わっているからだ。
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めめこ(プロフ) - 楓さん» そう言って頂けると嬉しいです！読んで頂きありがとうございました！ (2022年11月26日 19時) (
レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
楓(プロフ) - めめこさんのまるちゃんが大好きです！お誕生日おめでとうございました^ ^ (2022年11月26日 10時) (レス) @page35 id: 2ce83629e3 (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - まいさん» 楽しんでもらえたなら良かったです！また読んで頂きありがとうございます！ (2021年3月15日 18時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - バレンタインから1ヶ月楽しみに待ってました！ホワイトデーも｢キュン｣をありがとうございます。 (2021年3月15日 3時) (レス) id: 289a5ec9d0 (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - みーこさん» ありがとうございます！これから少しずつお話増やしますので、また読みにきてください！ (2021年3月14日 20時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めめこ | 作成日時：2021年3月14日 15時
