I wish...(Merry Christmas) ページ40
Your side
洗い物を終えリビングに戻ると、はしゃぎ疲れたのか、彼がスヤスヤとソファの上で寝息を立てていた。
つい一時間ほど前まで、彼の友人を招いてクリスマスを祝っていたわけだが、そこでここぞとばかりに彼のサービス精神が働いていた。
パーティーグッズも買い揃え、特に求められた訳でもない一発ギャグをやり、それでも相手に気を使いながらその場を盛り上げる。
『気疲れもちょっとあったのかな･･･』
ソファで丸くなる彼にブランケットを掛け、私はその寝顔を眺めた。
そして目にかかる前髪をどけてやると、額には相変わらずよく寝汗をかいている。
すると、ゆっくりと彼の切れ長の目が開かれた。
『あ、ごめんなさい。起こしちゃいました？』
そう声を掛ければ、まだ彼はぼんやりとした表情で、小さく首を振った。
かわいい･･････。
｢───Aちゃん｣
そして、汗ばんだ温かい手で私の手をキュッと握ると、少し掠れた声でその名前を呼んだ。
『ん？』
｢明日やけどさ、昼間一緒にお出かけせえへん？｣
『え？』
｢クリスマスデート｣
彼がニッと笑って、のそのそと起き上がる。
それから私の両脇に手を差し込んで抱き上げると、そのまま膝の上へ乗せられた。
すぐ目の前に迫った彼の表情は、まだ半分ふわふわとしていて、頬にはクッションの跡が付いている。
ダメだ･･････。
ふとこういう表情を見たときに、彼への好きが溢れてくる。
心臓が痛いくらいドキドキして、私は少しでも距離を取ろうと、彼の胸板を軽く押した。
『･･･あの、恥ずかしいんですけど』
｢別に二人きりなんやから気にせんでもええのに｣
相変わらずやなぁ、と彼がクスクス笑うので、私はせめてもの照れ隠しに、その柔らかい頬を摘まんで引っ張った。
｢イテテ･･･｣
『ふふ』
その顔がおかしくて、今度は私がクスクスと笑う。
すると、彼も愛おしげに目を細めて、柔らかく笑った。
『でも、さっきクリスマスパーティーやったばっかりなのに』
随分と盛りだくさんな予定だ。
しかし彼は真面目な顔で首を横に振ると、どこか自信ありげな表情を見せた。
｢だって、今日はまだイヴやろ？本番は明日やん！｣
まあ、確かにそれもそうか。
日本人はどちらかと言えば24日に重きを置いているイメージがあるが、本来クリスマスは25日なのだ。
『そうですね。じゃあ、楽しみにしてます』
｢おん！｣
＊＊＊
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めめこ(プロフ) - こおあさん» ありがとうございます。とっても嬉しいです！頑張って更新したいと思います！ (2021年12月4日 22時) (
レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
こおあ(プロフ) - いつも素敵に拝見しています！私もこんな甘いリアルな橙さんが書けるようになりたいなあと思ってます！これからも応援してます！ (2021年12月4日 17時) (レス) id: 27440602aa (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - まいさん» 読んで頂きありがとうございます！コメントを励みに頑張ります！ (2021年3月12日 18時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - バレンタイン最高でした！ホワイトデー楽しみにしてます!! (2021年3月11日 11時) (レス) id: 289a5ec9d0 (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - ゆんゆさん» ありがとうございます！そう言って頂けてとても嬉しいですm(_ _)m いつかヒロインの誕生日話も書けたらいいなと思っています！ (2019年11月27日 20時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めめこ | 作成日時：2019年7月2日 23時
