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｢ビックリした？｣
『そりゃしますよ』
｢へへ、ごめんごめん｣
わざとらしくペロッと舌を出すと、彼女が呆れたように笑う。
『ほら、そろそろレストランに降りないと、予約の時間過ぎちゃいますよ？』
そして、俺よりもずっと大人びた態度で、彼女がそう言った。
｢お腹空いてる？｣
『まあ、言うほど空腹ってわけじゃないですけど･･･』
俺はその返答を聞くと、途端に熱っぽい視線を彼女へ向けた。
『え？』
｢じゃあ、時間ちょっとずらしてもらお？｣
そう囁けば、彼女の表情が切なげに潤む。
アカンよ、そんな顔───。
俺はその華奢な手を握り、それからすぐに口付けを落とした。
さっきまであんなに寒い外に居たというのに、何度も重なりあう二人の唇は、熱く火照っていた。
そして、長いキスからやっと彼女の唇を解放すれば、俺の口元へ熱い吐息がかかる。
『あの───』
すると、少し息を乱した彼女が口を開いた。
｢ん？｣
『───お誕生日、おめでとうございます』
そう言って、彼女は美しく笑った。
｢おん、ありがとう───｣
それには俺もたまらなくなって、そっと掴んだ手を引き寄せると、そのままきつく抱き締める。
すると、腕の中から｢苦しい｣と訴える彼女のくぐもった声がして、俺はクスクスと笑いなが腕の力をゆるめた。
それから、あまり高さの変わらない彼女の目線に合わせて、そのつぶらな瞳をじっと見つめる。
｢なあAちゃん、俺の欲しい物、言うてもええ？｣
『は、はい！もちろんです』
きっとこの後の展開なんて予想もしていないだろう純粋な顔に、男としての加虐心が煽られる。
そして、彼女の返事を合図に横抱きにすると、｢わっ！｣と色気のない声が耳元に響いた。
しかし俺は気にする事なく奥のベッドルームまで向かうと、優しく彼女の体を降ろし、そしてゆっくりと押し倒した。
『え、あの･･･？』
｢シー･･････────俺が本当に欲しいのは、いつだってAちゃんだけやで｣
薄明かりに照らされた彼女の顔が、赤く染まっていくのがわかる。
俺はまたクスリと笑って彼女に口付けると、コートを脱ぎ捨て、ネクタイをゆるめた───。
今日も明日も
いつだって
きっとずっと
変わらずにいよう
｢君が好きだよ｣
ホシイモノハ───。
fin...
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めめこ(プロフ) - こおあさん» ありがとうございます。とっても嬉しいです！頑張って更新したいと思います！ (2021年12月4日 22時) (
レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
こおあ(プロフ) - いつも素敵に拝見しています！私もこんな甘いリアルな橙さんが書けるようになりたいなあと思ってます！これからも応援してます！ (2021年12月4日 17時) (レス) id: 27440602aa (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - まいさん» 読んで頂きありがとうございます！コメントを励みに頑張ります！ (2021年3月12日 18時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - バレンタイン最高でした！ホワイトデー楽しみにしてます!! (2021年3月11日 11時) (レス) id: 289a5ec9d0 (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - ゆんゆさん» ありがとうございます！そう言って頂けてとても嬉しいですm(_ _)m いつかヒロインの誕生日話も書けたらいいなと思っています！ (2019年11月27日 20時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めめこ | 作成日時：2019年7月2日 23時
