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そして一呼吸置いて気を取り直すと、彼はニッコリと笑って私の顔を覗きこんだ。
｢お夕飯何にする？今日はちょっと早く帰ってこれたから、一緒に作ろ？｣
私の手を取って、リビングへ戻ろうとする彼。
しかし私は、やんわりとその手をほどくと、表情を引き締める。
｢Aちゃん？｣
私のその様子に彼も気付くと、どないしたん？と目線を合わせてきた。
『───隆平さん』
｢ん？｣
『今、体重いくつですか？』
｢･･････ん？｣
単刀直入に質問を投げれば、彼の口元が一瞬だけ引きつるのが見えた。
『いくつですか？』
｢ん〜･･･最近あんま量ってへんからなぁ〜｣
話を誤魔化すように視線が泳ぎ、口が徐々に尖っていく。
『いくつですか？』
しかし尚も問いただすと、彼は｢むっちゃ聞いてくるやん･･･｣とぼやきながら俯いてしまった。
そして、私の耳でやっと聞き取れるくらいの声で、彼が渋々と答える。
｢･･････64キロ｣
そんなわけないだろ。
『嘘ですよね？』
｢ウソちゃうし･･･｣
ライブで体を絞った状態で大体63�堊宛紊覆里法∈�の状態でその数字な訳がないだろう。
ほんと、こういう嘘を付くのが下手な人である。
私は彼を無理やり壁際へ追いやると、そのTシャツに手を掛けた。
｢えっ、あ、ちょっと！そんな大胆な･･･！｣
赤面させながら冗談を言う彼など無視し、私はそのままTシャツをたくしあげる。
するとそこに、ムッチリとベルトの上に乗り上げるプニプニのお腹が現れた。
『ふ〜ん、これが64キロですか、そうですか』
｢･･････67くらいです｣
『･･････』
｢うぅ〜･･･だってAちゃんのご飯美味しいねんもん･･･！｣
そしてついに、目の前の男は観念したようで、Tシャツの裾を下ろしながら、白状という名の言い訳を始めた。
｢それに"ワンパックやないかい！"のネタもウケてるしさ、痩せなきゃいけないお仕事来たらちゃんと絞るし･･････｣
段々とその声はしぼんでいき、しょんぼりと背中が丸まっていく。
こういう時、つくづく芸能人という仕事は大変だなと思う。
本当は彼の今の体重でも標準くらいだし、医者に突き出してもダイエットを勧められる事は決してないだろう。
でも、彼の仕事の為を考えたら、ここで甘やかす訳にはいかないのだ。
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めめこ(プロフ) - こおあさん» ありがとうございます。とっても嬉しいです！頑張って更新したいと思います！ (2021年12月4日 22時) (
レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
こおあ(プロフ) - いつも素敵に拝見しています！私もこんな甘いリアルな橙さんが書けるようになりたいなあと思ってます！これからも応援してます！ (2021年12月4日 17時) (レス) id: 27440602aa (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - まいさん» 読んで頂きありがとうございます！コメントを励みに頑張ります！ (2021年3月12日 18時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - バレンタイン最高でした！ホワイトデー楽しみにしてます!! (2021年3月11日 11時) (レス) id: 289a5ec9d0 (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - ゆんゆさん» ありがとうございます！そう言って頂けてとても嬉しいですm(_ _)m いつかヒロインの誕生日話も書けたらいいなと思っています！ (2019年11月27日 20時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めめこ | 作成日時：2019年7月2日 23時
