◆42(丸山side) ページ42
＊＊＊
"幻滅や。こんなん･･････"
そんな心無い言葉を好きな人に吐き捨てた自分に、一番幻滅や。
頭を下げる彼女を受け止めてあげられなかった事も、その場から逃げるように去ってしまった事も、きっと───彼女を泣かせてしまっていた事も。
あれから、何度も彼女に電話を入れようと試みてはいた。
しかし、あんな最悪の別れ方をしたあげく、もう関わらないでくれと言われてしまった手前、いまだに連絡を取れずにいた。
結局、俺は彼女の事を全く理解していなかったのかもしれない。
勝手に二人の距離が縮んだと思い上がっていただけで、本当は何一つ彼女の心に寄り添えていなかったのだろう。
"───丸山さんのその好きは、一人の人間の人生を奪うだけの覚悟があるんですか！？"
あの時、正直痛いところを突かれたと思ってしまった。
これは、普通の恋愛とは違う。
最初の頃は、俺だって周りの目や立場を気にして、この気持ちにブレーキを掛けていたはずなのに、いつの間にか自分でも止められない程に加速をしていた。
だから、彼女がストップをかけ、軌道修正までしてくれたのだ。
これが、本来の形だった。
けれど、果たしてこれが俺達にとっての正解なんだろうか───。
｢これで合うてるんかな･･････｣
｢間違うてるよ｣
突如として現れた声に、俺は驚いて目の前の鏡に焦点を合わせた。
そこには、いつの間にか俺の隣に立つヤスが写っていた。
そして鏡の中のヤスと目が合うと、もう一度彼が口を開く。
｢さっきんとこの振り、間違うてるよ｣
｢え、あ･･･間違ってた？｣
｢うん｣
今は振り付けの練習中だったのに、俺の意識はすっかり別のところにいってしまっていた。
もうツアーまであまり日にちがないというのに、こんなに意識が散漫では困ったものだ。
俺は溜め息をついて、前髪をくしゃりとかき上げた。
｢───マル、体調悪いん？｣
｢え？｣
｢今日、ずっとボーっとしとるで？｣
ヤスの指摘に、俺は何も言い返せなかった。
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まるまゆ(プロフ) - 面白すぎます！リアルすぎて見入ってしまってます！ (2019年6月27日 4時) (
レス) id: cd50c0de6b (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - colorfulcrayon2さん» 残念ですが終わります！(笑) ここまで読んでいただいてありがとうございますm(_ _)m 短編等も考えてますので、引き続き楽しんでいただけたら嬉しいです！ (2019年6月19日 20時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
colorfulcrayon2(プロフ) - めめこさん！終わってほしくないよーーーー！！！笑 (2019年6月19日 19時) (レス) id: bd237a513f (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - きゃらめるさん» 感想ありがとうございます！リアルな丸山さんを書けているようで安心しました(笑) これからも作品を楽しんでいただければ幸いです！ (2019年6月13日 13時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - ゆんゆさん» いつも読んでいただきありがとうございます！こちらこそ素敵な感想をもらえて嬉しいです！！これからもこちらの作品を宜しくお願いしますm(_ _)m (2019年6月13日 13時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めめこ | 作成日時：2019年6月6日 21時
