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それから私達の間に少しの沈黙が流れて、この空気を変えようと違う話題を振る。
『───何を描いてるんですか？』
安田はベッドの上にスケッチブックを広げ、何やら色鉛筆で塗っていった。
水色で塗られた無数の小さな花の上に、生き物らしき楕円のものが横たわっている。
すると安田は、私の方へスケッチブックを差し出すと、鉛筆を指し棒の代わりにして説明をしてくれた。
｢これ、お花畑の中を泳ぐペンギンやんねん｣
そう言って指したのは、先程の楕円の生き物だった。
これ、ペンギンだったんだ･･･。
確かに言われてみれば、黄色いくちばしも付いているし、ヒレのような翼もある。
しかし、腹側から見たアングルだったから、これがペンギンだとは思いもしなかった。
｢で、この花が全部ネモフィラやねん｣
そして今度は周りの花を指して説明を始める。
『ネモフィラ？』
｢そう。俺もこの間テレビで観てんけど、丘一面にびっしり咲いてる小さな水色の花があんねん。その光景がな？なんか大海原みたいに壮大で、めっちゃ綺麗やってん。こんな中をスイスイ泳げたら気持ちええやろうな〜って｣
動けないなりに、一生懸命に手振りを交えて説明する安田に、私は笑みをこぼす。
そして手元の絵に視線を戻すと、途端に素敵な絵に見えてきた。
『安田さんらしい発想ですね』
ここ最近で他にも何か描いたのだろうかと、私はパラパラとページをめくってみた。
すると、以前にも見た事のある女性のデッサンのページを見つけた。
『安田さん、この女の人ってもしかして───』
あのとき聞けなかった質問を、私は安田に投げ掛ける。
そして視線も一緒に向ければ、優しい眼差しで彼は頷いた。
｢うん、Aちゃんを描いてん｣
そうはっきり言われると急に恥ずかしくなって、私は再びスケッチブックの中の自分へ視線を落とした。
『何で、私なんて描いたんですか？』
｢んー？純粋に綺麗と思ったから、かな───｣
『へ･･････』
特に深い意味のない質問だったのに、予想外の安田の返答に、私はポカンと口を半開きにする。
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まるまゆ(プロフ) - 面白すぎます！リアルすぎて見入ってしまってます！ (2019年6月27日 4時) (
レス) id: cd50c0de6b (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - colorfulcrayon2さん» 残念ですが終わります！(笑) ここまで読んでいただいてありがとうございますm(_ _)m 短編等も考えてますので、引き続き楽しんでいただけたら嬉しいです！ (2019年6月19日 20時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
colorfulcrayon2(プロフ) - めめこさん！終わってほしくないよーーーー！！！笑 (2019年6月19日 19時) (レス) id: bd237a513f (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - きゃらめるさん» 感想ありがとうございます！リアルな丸山さんを書けているようで安心しました(笑) これからも作品を楽しんでいただければ幸いです！ (2019年6月13日 13時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - ゆんゆさん» いつも読んでいただきありがとうございます！こちらこそ素敵な感想をもらえて嬉しいです！！これからもこちらの作品を宜しくお願いしますm(_ _)m (2019年6月13日 13時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めめこ | 作成日時：2019年6月6日 21時
