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｢あ、適当に座って？一応さっき物片付けてスペース作ったから｣
『はい、失礼します』
そしてリビングスペースに通され、私は取り敢えずソファの脇にちょこんと正座をした。
するとソファの後ろに、先程まで散乱していた物が山積みにされているのを見つけて、そっと視線を反らす。
これを彼の中で片付けたと言うなら仕方ない･･･。
手持無沙汰な時間が流れ、行き場を失った私の視線は、エアコンの前で送風を浴びている自分の洋服へ向いた。
｢───なんでそんな端っこ座るん。もっとこっちおいで？｣
すると、コーヒーを持った丸山がキッチンから戻ってきた。
そして｢遠慮せんでええよ｣と苦笑をされ、私はおずおずと丸山の所まで移動する。
それから、目の前に差し出されたコーヒーを一口飲むと、一気に内から体が温まるのがわかった。
｢───それで、何があったん？｣
思いの外、丸山の質問は直球だった。
手元のマグカップから丸山へ視線を移せば、頬杖をついた彼と目が合う。
だが、すぐに気まずくなって、私は再びマグカップへと視線を落としてしまった。
そして、何度か深い呼吸を繰り返してから、私はやっと口を開く。
『･･････渋谷さんが、ツアーには参加できないって聞いて、それが納得できなくて部長の所に乗り込んだんです』
我ながら、本当に愚かなもんだ。こういう時、感情論で行動してもろくな事がないのは、重々わかっているはずなのに。
『ほんと、恥ずかしいんですけど･･････、お前が今やってるのはファンの殴り込みと一緒だって言われました。担当外れて、少し頭冷やせって･･････』
まただ。
また、涙が出そうになってくる。
これ以上喋ったら泣き出してしまいそうなのに、それでも一度吐き始めた弱音は、もう止まらなくなっていた。
『私、何も言い返せなかったです。図星だったから。前は、こんなんじゃなかったのにっ･･･』
腹の底から上ってくるような嗚咽を我慢すれば、代わりに大粒の涙が溢れていった。
『最近、全然前みたいに仕事ができないんです･･･！前の私だったら、きっと渋谷さんがいなくなっても、そこからどうやって利益を出そうかとか、どこの繋がりにアプローチして売り込もうかとか、どうフォロー入れようとか、きっとそんな事ばっかり考えてたはずなのに───！』
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まるまゆ(プロフ) - 面白すぎます！リアルすぎて見入ってしまってます！ (2019年6月27日 4時) (
レス) id: cd50c0de6b (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - colorfulcrayon2さん» 残念ですが終わります！(笑) ここまで読んでいただいてありがとうございますm(_ _)m 短編等も考えてますので、引き続き楽しんでいただけたら嬉しいです！ (2019年6月19日 20時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
colorfulcrayon2(プロフ) - めめこさん！終わってほしくないよーーーー！！！笑 (2019年6月19日 19時) (レス) id: bd237a513f (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - きゃらめるさん» 感想ありがとうございます！リアルな丸山さんを書けているようで安心しました(笑) これからも作品を楽しんでいただければ幸いです！ (2019年6月13日 13時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - ゆんゆさん» いつも読んでいただきありがとうございます！こちらこそ素敵な感想をもらえて嬉しいです！！これからもこちらの作品を宜しくお願いしますm(_ _)m (2019年6月13日 13時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めめこ | 作成日時：2019年6月6日 21時
