◇48(丸山side) ページ48
だが、もうさすがに寝てしまっているだろうか･･･？
スマホの中で、何度も彼女の電話帳ページを開いては消し、また開いては消しを繰り返す。
｢んぁ〜･･･！もう！｣
当たって砕けろや！
だが、あれこれ考えるのがついにウザったくなって、俺は勢いに任せてその発信ボタンを押した。
そして無機質に鳴るコール音に緊張を高ぶらせて、彼女の声を待った。
(───はい、Aです)
｢あ、出た･･･！｣
(そっちから電話しておいて、何言ってるんですか)
｢へへ、すんません｣
年が明けても、相変わらず可愛いげのない返事は健在で、何故だか安心する。
(それで、どうしました？)
それから、彼女は呆れたような素振りで言った。
だが、その声色はどこか優しい。
凛とした、俺の大好きな声だ。
｢明けましておめでとう｣
(え？あ、明けまして、おめでとうございます･･･)
俺の返答が予想外だったのか、彼女の声は少々間が抜けていた。
それでも、ちゃんと挨拶を返すあたりが、彼女の真面目な性格を物語っている。
｢ふふ、Aちゃんに一番に挨拶したくて、電話してもうたわ。ごめんな？あ、それと、今年もまた一年よろしくお願いします｣
(あ、はい。こちらこそ宜しくお願いします)
先程とは違う引き締まった声に、彼女が電話の向こうで正座をしているような気がして、俺は一人笑ってしまった。
(───それと、私からもいいですか？)
｢ん？｣
すると今度は、彼女から言葉をかけられる。
(紅白も、カウントダウンも───とってもカッコ良かったです)
｢･･････っ！！｣
こんなの、不意打ち過ぎる。
(あれ？丸山さん？電波悪いですか？)
｢ううん、何でもあらへん。ありがとう｣
廊下で一人赤面している俺は、なんてアホなんだろうか。
しかし、火照る頬は全く治まる様子がなくて、それどころか鼓動と共に全身へと広がっていく。
今すぐ彼女の元へ行って、抱き締めて、そのまま自分のものにしたくなった。
｢ほんま、心臓に悪い子やわ･･･｣
(え？何か言いました？)
｢ううん、何もあらへんよ｣
ぽつりと溢した文句までは、電話の向こうには届かなかったようだ。
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めめこ(プロフ) - りなさん» ありがとうございます！楽しく読んでいただけて嬉しいです。続編作成中ですので少しお待ちください！ (2019年6月6日 12時) (
レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
りな - 本当におもしろいです！早く続き見たいです！ (2019年6月5日 23時) (レス) id: 9dc5982e37 (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - ゆんゆさん» いつも読んでいただきありがとうございます！ヤキモチを通り越すくらいゆんゆさんにドキドキしてもらえるような作品にしたいと思います(笑)これからもよろしくお願いします！ (2019年5月26日 21時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆんゆ(プロフ) - いつも更新を楽しみにしています。まるたーの私なので、上手くいって欲しいと思う反面、感情がリアルに伝わるってくるので、上手くいったらヤキモチ妬きそうで今から心構えを、なんて思ってしまいます(笑)これからも楽しみにしています！ (2019年5月26日 19時) (レス) id: e91edee03b (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - colorfulcrayon2さん» ご感想ありがとうございます！プロだなんて嬉しすぎます(><)更新頑張ります！！ (2019年5月23日 7時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めめこ | 作成日時：2019年5月3日 15時
