◇5(丸山side) ページ5
『これは、いち丸山隆平ファンとして言います──────すっごく、かっこ良かったです！』
｢っ･･････！｣
『登場から、アンコールではけるまで、ずっとずっとかっこ良かったです！今回、丸山さんに私の事見つけてもらえなかったのはちょっと残念でしたけど、でも、セットリストも衣装も振り付けも、コントパートもMCも、一つ一つが魅力的に見えてたし、もう完璧でした！最高でした！誰がこんなの考えたんだって思うくらい･･･！』
途中、自画自賛とも取れる発言はあったが、それでも必死に、今にも泣き出してしまいそうな表情で訴える彼女の姿を見たら、もう何も言えなくなった。
『───ずっと、この人の事を応援してきて、好きになって良かったって、本気で思いました』
｢Aちゃん･･･｣
『だから･･････これからも支えていきたいんです。好きでいたいんです。もしかしたら、丸山さんには私の存在がウザったく感じる事もあるのかもしれないですけど、でも、それでも───この会社に身を置ける限りは、あなたの事を応援して支えていきたいんです！』
一筋、彼女の頬を涙が伝っていった。
『･･･以上です』
そして、彼女は雑に涙を拭うと、一つ深いお辞儀をしてその場を去ってしまった。
気を張ったような、彼女自身を鼓舞するようなヒールの音が、廊下に響き渡っていた。
｢はぁ･･････｣
俺の膝から一気に力が抜け、その場にへたり込む。
まさか、あんな事を言われるとは思いもしなかった。
胸に手を当てると、心臓がバクバクと脈を打ち、高揚しているのがわかる。
"好きでいたいんです"
"支えていきたいんです！"
彼女の言葉が何度も頭の中を過り、そして胸が焦がれた。
全て摘み取ったはずの恋心がまた芽を出して、君という太陽に手を伸ばすように、その背を伸ばしていく。
ほんまに困る。
どうして、君のこと諦めさせてくれへんの───？
｢───追わへんの？｣
その声に驚き顔を上げると、ヤスが立っていた。
｢今の聞いてたん？｣
｢嫌でも聞こえてきたわ。で、追わんの？｣
その問いに、俺はすんなりと頷けずにいた。
しかし、俺の前まで来たヤスに胸ぐらを掴まれ、無理やり立たされると、そのまま背中を押された。
｢今追わへんかったら、シバくぞ｣
｢物騒やな───｣
ヤスの口角がニヤリと上がるのを見て、俺も薄く笑みを浮かべる。
そして、俺は廊下を駆け出した。
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めめこ(プロフ) - りなさん» ありがとうございます！楽しく読んでいただけて嬉しいです。続編作成中ですので少しお待ちください！ (2019年6月6日 12時) (
レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
りな - 本当におもしろいです！早く続き見たいです！ (2019年6月5日 23時) (レス) id: 9dc5982e37 (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - ゆんゆさん» いつも読んでいただきありがとうございます！ヤキモチを通り越すくらいゆんゆさんにドキドキしてもらえるような作品にしたいと思います(笑)これからもよろしくお願いします！ (2019年5月26日 21時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆんゆ(プロフ) - いつも更新を楽しみにしています。まるたーの私なので、上手くいって欲しいと思う反面、感情がリアルに伝わるってくるので、上手くいったらヤキモチ妬きそうで今から心構えを、なんて思ってしまいます(笑)これからも楽しみにしています！ (2019年5月26日 19時) (レス) id: e91edee03b (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - colorfulcrayon2さん» ご感想ありがとうございます！プロだなんて嬉しすぎます(><)更新頑張ります！！ (2019年5月23日 7時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めめこ | 作成日時：2019年5月3日 15時
