◇4(丸山side) ページ4
｢それにここだけの話な？Aちゃん、毎年マルの誕生日の日に、オレンジの服着てるねんて｣
すごいやろ？と、何故かヤスが自慢気な笑顔を見せる。
でも、どうしてだろう───。
｢ほんま、オレンジの服なんかよう着られんわ･･･｣
こんなにも嬉しいなんて。
｢───俺も、コーン茶もらってくるわ｣
｢おん、いってらっしゃい｣
彼女にどうやって声をかけようかとか、なんて言葉を切り出そうかなんて、何にも思い付かなかったけれど、あそこにジッと座っていられなくなった。
そして、無性に彼女の顔が見たくなった。
俺は楽屋を出ると、ケータリングのある方へと廊下を曲がった。
すると、廊下の向こうからカツカツとヒールの鳴る音がして、段々とそれは近づいてくる。
目を凝らして見てみれば、それは間違いなく彼女の姿だった。
ずっと、会いたかった人───。
｢Aちゃ･･･ん？｣
しかし、彼女は鬼のような形相で、俺の望んでいた展開とは明らかに違う。
｢え、なに？俺･･･？｣
辺りをキョロキョロと見回すが、今この廊下には俺しかいない。
ちょっと待って、めっちゃ怖いねんけど･･････！？
｢あ、あの･･･｣
そして、恐怖の足音は目の前で止まった。
『お疲れ様です』
｢お、お疲れさま･･･です｣
腕を組み、明らかに怒った表情でこちらを見ている。
その首からは"STAFF"と書かれたネックストラップが提げられていた。
｢あれ？えっと、今日は仕事なん･･･？｣
ストラップを指差し質問をすれば、彼女は一度視線を下げて、またこちらを睨み上げる。
『仕事です。とは言っても、物販の在庫確認に来ただけですけど』
｢そうなんや｣
『･･･って、それはどうでもいいんです！』
｢あ、はい。すみません･･･｣
珍しく凄い剣幕で声を荒げる彼女に、俺はあっという間に壁際まで追いやられていた。
バンッ！
｢ヒッ･･･！？｣
そして、体の両脇に荒々しく手を付かれ、行く手を塞がれる。
『ついでに、丸山さんに言いたい事があって来たんです！』
｢え、え？ていうか何で壁ドン･･･？｣
『うるさい！』
｢はい･･･｣
怒鳴り付けられ、俺は大人しく口を閉じた。
そして彼女は、俺から視線を外し一呼吸置くと話し始める。
『2日目の公演、見させてもらいました。どうしても、この感想は直接言いたかったので』
彼女の目が、真っ直ぐとこちらを向いた。
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めめこ(プロフ) - りなさん» ありがとうございます！楽しく読んでいただけて嬉しいです。続編作成中ですので少しお待ちください！ (2019年6月6日 12時) (
レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
りな - 本当におもしろいです！早く続き見たいです！ (2019年6月5日 23時) (レス) id: 9dc5982e37 (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - ゆんゆさん» いつも読んでいただきありがとうございます！ヤキモチを通り越すくらいゆんゆさんにドキドキしてもらえるような作品にしたいと思います(笑)これからもよろしくお願いします！ (2019年5月26日 21時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆんゆ(プロフ) - いつも更新を楽しみにしています。まるたーの私なので、上手くいって欲しいと思う反面、感情がリアルに伝わるってくるので、上手くいったらヤキモチ妬きそうで今から心構えを、なんて思ってしまいます(笑)これからも楽しみにしています！ (2019年5月26日 19時) (レス) id: e91edee03b (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - colorfulcrayon2さん» ご感想ありがとうございます！プロだなんて嬉しすぎます(><)更新頑張ります！！ (2019年5月23日 7時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めめこ | 作成日時：2019年5月3日 15時
