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人生で初めての高級寿司は、思っていたのと少し違った。
『テーブル席なんですね』
｢板前の居るカウンターで食べる所だけが高級寿司じゃありませんよ｣
確かに、目の前に置かれた寿司はどれも美味しそうだ。
脂ののったネタは、店内の明かりに照らされ艶々と輝きを放っている。
｢ちゃっちゃと食べてさっさと帰りましょう｣
田中マネはあからさまに腕時計を見ながら、そう言った。
ご馳走になる身でこんな事を思いたくないが、本当に性格のひん曲がった男だ。
しかし、口に入れた寿司は、この上なく美味だった。
｢───そういえば、沖縄はどうでしたか？急遽駆り出されたそうですね｣
『そういう話、どこから仕入れてくるんですか？』
目の前の寿司を夢中になって頬張っていると、田中マネが面白がるようにその話題を振ってきた。
｢現地に行った別のマネージャーから報告を受けただけです｣
『田中さんは沖縄来ませんでしたね』
｢その分東京できっちり仕事してましたから。あなたが沖縄を満喫してる間に｣
『全然満喫できませんでしたよ』
はっきり言って、沖縄へ行ったという実感はほぼない。
寝不足な上に、過密な撮影スケジュールで本当に辛かった。
｢それは残念でしたね。挙げ句、関ジャニのお守りでもさせられてましたか？｣
田中マネは、口ではおどけたような事を言いつつも、こちらに向けた目はあまり穏やかそうではなかった。
｢ウチのがやたらとちょっかいを出して、仕事の邪魔をしているようならすみません。特に、丸山とか？｣
何が言いたいんだ。まるで私の失言でも狙っているような空気だ。
遠回しに攻めこんで、相手がミスするのを待つようなやり方が、この人の嫌いなところだ。
『別に、それも業務と思って対応しますけど』
｢───それは違いますね｣
『違う？』
｢あなたの仕事は、彼らと無駄な関わりを作る事じゃない。マネージャー気取りもいいところですよ｣
『何が言いたいんですか？』
中々本題を切り出してこないのが、余計に私の苛立ちを煽る。
｢丸山が思わせ振りな態度を取るようなら、あなたからきっぱり断ってください。曖昧な態度は、あの人を調子に乗せるだけですから｣
『･･････拒絶しろって事ですか？』
｢簡単に言えばそういう事です｣
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めめこ(プロフ) - りなさん» ありがとうございます！楽しく読んでいただけて嬉しいです。続編作成中ですので少しお待ちください！ (2019年6月6日 12時) (
レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
りな - 本当におもしろいです！早く続き見たいです！ (2019年6月5日 23時) (レス) id: 9dc5982e37 (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - ゆんゆさん» いつも読んでいただきありがとうございます！ヤキモチを通り越すくらいゆんゆさんにドキドキしてもらえるような作品にしたいと思います(笑)これからもよろしくお願いします！ (2019年5月26日 21時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆんゆ(プロフ) - いつも更新を楽しみにしています。まるたーの私なので、上手くいって欲しいと思う反面、感情がリアルに伝わるってくるので、上手くいったらヤキモチ妬きそうで今から心構えを、なんて思ってしまいます(笑)これからも楽しみにしています！ (2019年5月26日 19時) (レス) id: e91edee03b (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - colorfulcrayon2さん» ご感想ありがとうございます！プロだなんて嬉しすぎます(><)更新頑張ります！！ (2019年5月23日 7時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めめこ | 作成日時：2019年5月3日 15時
